CNBLUE、FTISLAND、DAY6……バンド形態で魅せるK-POP
4人のメインボーカリストを持つDAY6
“バンドの事務所といえばFNCエンターテインメント”といったイメージが強かったが、2PMやWonder Girls、GOT7などのアイドルグループを輩出してきたJYPエンターテインメントからデビューしたのがDAY6(デイシックス)だ。彼らは「Congratulations」(1stミニアルバム『The Day』リード曲)で2015年9月に韓国デビューを果たす。
「JYPが初めて手がけたバンド」ということで注目を浴びたが、デビュー直後にメンバーの1人が脱退し、6人から5人体制になった。事務所がどのようにバンドを育てたらいいのかわからなかったのもあるのかもしれないが、彼らは当初、なかなかブレイクスルーできずにいたように思う。
2017年には「Every DAY6」という1カ月ごとに音源を発表し、ライブを行うというプロジェクトを実施。1年間を通して地道に活動することで自分たちの音楽を多くの人に浸透させていった。プロジェクトの最後には12カ月間に及んだライブの集大成をソウルのYES24 LIVE HALLで4日間敢行し成功させた。日本では2017年に『SUMMER SONIC 2017』に出演、2018年3月に『If〜また逢えたら』でメジャーデビューを果たしている。
DAY6は4人のメインボーカルがいる、というのが特徴だろう。ハスキーなソンジン、パワフルなYoung K(ヨンケイ)、甘く優しいJAE(ジェイ)、そして耳を離さない特徴的な声のウォンピルと、四者四様の異なったボーカルスタイルに加え、ドウンの正確で力強いドラムは、DAY6にはなくてはならないものだ。そして5人で作り上げるジャンルレスでポジティブなサウンドは、どんなスタイルの曲でも“DAY6色”に染め上げる。
デビューして3年目の彼らだが、ツアーや音源で経験を積み重ね、どのようなバンドになるのかが楽しみなところだ。
どんなきっかけでもバンドはバンド
彼らとインディーズ出身のバンドの違いは、“事務所主導で結成された”というところだろう。メンバー全員が最初からバンドがやりたくて事務所に入所したわけではなく、違う目的を持っていたメンバーも多くいる。バンドを組むことになり楽器を手にし、そこから“バンドマン”としてスタートしたのだ。
良い音楽は“事務所主導で結成された”というバンドのヒストリーとは関係なく生まれるもの。10代でバンドを始めたり、初めて楽器を手にした、というのは多くの他のバンドも同じだろう。そういう意味でも何も違いはないのだ。むしろ、芸能事務所の厳しいオーディションをくぐり抜けた音楽的才能の持ち主が集まったバンドは、シナジー効果が高いかもしれない。
今回紹介したバンド以外にも、BTSのプロデューサーであるパン・シヒョクが手がけたIZや、日本進出も果たした実力派・THE ROSEなどの新しいバンドも登場してきている。今後、K-POP界にはどういったバンドが生まれてくるのか、注目していきたい。
■西門香央里
東京在住のフォトライター。K-POP、韓国トレンド、旅行、グルメ、カルチャーなどを中心にWebメディアなどで活動中。年3~4回の渡韓でエネルギーを蓄えている。いつまでも年齢不詳でありたい通年おかっぱの人。座右の銘は「努力は裏切らない」。
寄稿媒体:いまトピ、エキサイト、TABIZINE、SHELBEE…等
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