石井恵梨子のチャート一刀両断!
BTS、PENTAGON、CNBLUE…K-POPの幅広さ感じる最新チャート 各グループのスタンスを考察
参考:2018年9月10日付週間アルバムランキング(2018年8月27日~2018年9月2日・ORICON NEWS)
夏休みも終わり心機一転、10位圏内のうち7作品が初登場となる今週の週間アルバムランキング。目立っているのは、2位のBTS『Love Yourself 結‘Answer’』、4位のPENTAGON『SHINE』、6位のCNBLUE『Best of CNBLUE / OUR BOOK [2011-2018]』など、K-POPの勢いと幅広さでした。
K-POPの主流はアイドルカルチャーだと言われますが、“アイドル”の捉え方自体が他の国とは違います。たとえばCNBLUEはバンド形態の4人組であり、自国のシーンにバンドが少ないことを意識し、ダンスロック/ポップ/ソウル/アーバンファンクなど、幅広いバンドサウンドを聴かせています。いわば、Suchmosやセカオワ(SEKAI NO OWARI)、Maroon 5あたりの音楽性までフォローしているアイドル……という感じ? そもそも日本には“バンド形態のアイドル”が少ないため、こういう存在自体がとても興味深く感じられます。
また、BTSは欧米の流行をはっきり意識したEDMやR&B/ヒップホップ路線で、今年5月に発売の『LOVE YOURSELF 轉 'Tear'』ではビルボード・アルバム・チャートで首位を奪取(今作では2度目のビルボード・アルバム・チャート首位獲得)。今回チャートに登場したのは大ヒットアルバム『LOVE YOURSELF』シリーズのリパッケージ盤ですが(輸入盤のみ。それで約5万枚のセールスってすごい)、より韓国カルチャーを強化した見せ方に、強烈な攻めの姿勢を感じました。自国ポップシーンの頂点の先にはインターナショナルがある。だからこそ“アジア人であることを世界にアピールしていく”感覚があるのでしょう。
このことを考えるきっかけになったのは、数カ月前に見たこのブログ記事。BTS新作にも収録の「Anpanman」を巡るすばらしい考察があります。
BTS(防弾少年団)"ANPANMAN"の衝撃――ポスト「クール・ジャパン」へ向けて
“アジア文化”という大きな枠組みを発展させていく時代。文章の最後にあるそんな一節を体現していくのが、4位のPENTAGONなのかもしれません。