eill、CIRRRCLE、Taeyoung Boy、SIRUPが躍動 『Spotify Early Noise Night vol.9』

『Spotify Early Noise Night vol.9』レポ

 この日のトリを務めたSIRUPは、気鋭のプロデューサー/ギタリスト・Shin SakiuraとshowmoreやScarf & the SuspenderSのメンバーとしても活躍する井上惇志を迎えての3人編成。東阪でのワンマンをソールドアウトさせたばかりというだけあり、抜群の安定感を感じさせる、堂に入ったパフォーマンスを展開。デビューシングル曲の「Synapse」から始まり、トラップ的ビートを下敷きにしたミドルナンバー「Maybe」、ライブではソウルフルに変貌するバラード「LOOP」、そしてもはやお馴染みの「音楽の中をスウィムしよう」というMCと共に披露される「SWIM」と、セットリストの流れも見事だ。ラストの「Do Well」では後方のオーディエンスまでも手を挙げ、会場全体で大きなグルーヴと一体感を生み出していた。

 短時間ながらもまさに大団円という景色を作り出し、華々しく幕を下ろしたSIRUPだが、客電がついてもなお鳴り止まない拍手を受け、急遽アンコールを行うことに。最新作『SIRUP EP2』きってのシンプルなナンバー「No Stress」をバックトラックなしの、ギターとシンセのみでプレイ。SIRUPの渾身の歌声もさることながら、Shin Sakiuraと井上惇志の両者による即興性と表現力の高さにも驚かされた。オーディエンスもコールアンドレスポンスで楽曲に参加し、素晴らしいクロージングとなった。

 メインストリームのみならず、インディペンデントなシーンをもフックアップし、国内シーンの活性化を図るSpotify。次回の『Early Noise Night』出演アーティストを想像しつつ、今後の展開にも注目したい。

(取材・文=保坂隆純)

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