乃木坂46、『帰り道は遠回りしたくなる』で首位獲得の歴史を更新 収録曲からポイントを考察

乃木坂46 『つづく』Short Ver.

 さて、最後に触れたいのがType-Aに収録されている西野七瀬のソロ曲「つづく」です。この楽曲のMVに登場するのは、10年後の西野七瀬。MVのなかで、西野七瀬は34歳となり、母になっています。

 西野七瀬は娘を連れて訪れた遊園地で1枚のポスターを目にします。「乃木坂46 10期生ライブご招待 2028年今秋開催!!」。ポスターを見た西野七瀬は静かに微笑みます。

 本稿の趣旨を完全に逸脱して個人的なことを書きますと、ここ数年で非常に好きだったアイドルが“アイドル”を辞めることが3度ほどありました。表舞台から去った後、まさに一児の母として再会した人もいます。

 その度に思うのは、アイドルの未来は縛ることができないということです。いくらファンとして金銭を使ってきたとしても、1人の若者としてのアイドルの未来というのは、私たちが足を踏み入れることができない領域だと思うのです。「つづく」のMVを見ながら、そんなことを改めて考えました。それぞれに幸せな道を歩んでくれたら、それが一番良いですよね。

 西野七瀬さんにも、彼女のファンの皆さんにも、幸多からんことを願って(そして記事の趣旨から脱線したまま)筆を置きたいと思います。

■宗像明将
1972年生まれ。「MUSIC MAGAZINE」「レコード・コレクターズ」などで、はっぴいえんど以降の日本のロックやポップス、ビーチ・ボーイズの流れをくむ欧米のロックやポップス、ワールドミュージックや民俗音楽について執筆する音楽評論家。近年は時流に押され、趣味の範囲にしておきたかったアイドルに関しての原稿執筆も多い。Twitter

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