アニメ『ブラクロ』主題歌抜擢の16歳シンガー・みゆな 突出した表現力と等身大の少女の顔
みゆなのキャラクターは、彼女が手がける歌詞にも表れている。『ブラッククローバー』エンディングテーマの「天上天下」では、歌詞に〈ふぁぼ・RTで拡散〉など、Twitterにまつわる現代的な表現が見られる。16歳らしからぬ奥行きを感じさせる歌唱と、こうした年齢相応の今どきな少女的一面が同居しているところも、彼女の魅力だ。そのためだろうか、「天上天下」の作曲には佐伯ユウスケ、オープニングテーマ「ガムシャラ」の作曲にはパスピエの成田ハネダと、制作布陣も錚々たるメンバーだが、彼女の表現は決して彼らに負けていない。それどころか、どこか飄々とした余裕さえ感じられるほどだ。
今回のアニメタイアップについて、みゆなは「主人公のアスタと私は年齢も近いし、境遇もすごく似ている」(参考:みゆな | Skream! インタビュー)と語る。魔法帝になるために、田舎の村から大都会へと旅立ったアスタと、歌手になるために、地方・宮崎から首都圏に遠征しつつ活動を展開するみゆな。「ガムシャラ」は、そんな夢に向かうアスタと自分へ向けた応援ソングがテーマとなっているという。自身のTwitterでは「可愛くもなりたいけど 心の奥底では 男の子になりたい と思ってる」とツイートしていたが、彼女の持つ少年的な一面も、アスタにリンクしているように思う。
リリースのみならず、今年夏には、a-nation長崎公演という大舞台も経験したみゆな。今後、ガールズイベントを中心に、本州でのライブ出演も続々と決定している。今回のアニメタイアップで注目度が高まっているなか、ステージ上ではどのような芯のあるパフォーマンスを見せてくれるのか、こちらも楽しみだ。
■まにょ
ライター(元ミュージシャン)。1989年、東京生まれ。早大文学部美術史コース卒。インストガールズバンド「虚弱。」でドラムを担当し、2012年には1stアルバムで全国デビュー。現在はカルチャー系ライターとして、各所で執筆中。好物はガンアクションアニメ。Twitter