新しい地図「新しい詩」と共にシェアされる世界 5分半のミュージカル体験楽しめる楽曲の魅力
稲垣吾郎、草なぎ剛、香取慎吾が“クソ野郎★ALL STARS”として歌った「新しい詩」が、定額制音楽配信サービス『Amazon Music Unlimited』にて、この1年で最もシェアされた曲の1位に輝いた。3人が出演したオムニバス映画『クソ野郎と美しき世界 THE BASTARD AND THE BEAUTIFUL WORLD』で披露され、サウンドトラックに収録されたこの曲。ドラマチックなピアノの伴奏から、徐々にベースやドラム、人々の手拍子が重なっていく様は、まるでNAKAMAの輪が広がっていく様子そのもの。映画の公開当時に置かれた彼らのリアルな状況と重なって、初めて聞いたときの胸の高鳴りが忘れられない。
〈どうしようもないとこから/僕らは始まったんだ/どうしようもないとこから/抜け出そうと/もがいた〉。そんな歌い出しで始まる少々過激な歌詞は、彼らの言葉にできない何かを歌に乗せているようにも見えた。きっと、その何かとは“ゼロになる覚悟”だったに違いない。映画に出てくる登場人物たちも、みんな何かを失い、もがき、そして新たな道を模索していた。その苦悩も、その先に見える希望も、この歌が昇華していくのだ。人生はそれでも続く、歩き続けるのだ、と。
ジャジーなサウンドと香取の伸びやかな歌声。ズンズンと香取が歩き進める姿が想像できる心地よいリズム。実際に、この曲を聞きながら街を歩いたときには、いつもよりつい歩幅が大きくなるのがわかる。三日月を見上げる歌詞につられて、空を見上げる。上を向くといよいよ「やるしかない!」そんな気持ちになってくる。前に、前にと、気持ちを推し進めてくれるのも、きっと歌う香取自身がそんな意気込みだったからだろう。
そしてサビの〈世界のどこかにきっと仲間がいるから〉では、多くの人の声が重なってくる。手を差し伸べるように、背中を押すように。たとえゼロになったとしても、きっと味方となってくれる人と繋がることができるはず。それを夢見て進むんだ、という希望に続くのだ。それはまるで約5分半のミュージカル体験。自分の人生という物語の主人公であることを、思い出させてくれるような歌だ。
実際に、3人はSNSという新たなツールを使って、世界中にいるファンと繋がることができた。以前より変わらず支えてくれた、たくさんのスタッフの存在も彼らを勇気づけたという。そんな多くのNAKAMAによる彼らを応援する気持ち、そして彼ら自身が持つ“歌の力”が、今回の “この1年で最もシェアされた曲”アワード1位に輝いた理由だろう。