YOSHIKIとのコラボステージも 多彩なゲスト出演したHYDE主宰『HALLOWEEN PARTY 2018』
第四幕はお待ちかね、HYDE with HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA。トランプの兵隊がずらりと並んだステージ中央に裁判台が鎮座。そこに立つのは赤の女王に扮したHYDE、この日1番の大歓声が幕張を揺らす。荘厳な「HALLOWEEN PARTY –裁判Ver.-」からスタートし、「ようこそ! 今夜はもっとも恐ろしいことに……なるぞ!」と、小槌をコツンと叩くHYDE。「お前たちは裁判にかけられた、全部私の権限で決まるのよ!」と再び小槌を振い、「判決を下す! お前ら全員死刑!」と始まった「AFTER LIGHT」でさらにヒートアップ。そして安室奈美恵「Hide&Seek」をカバーし、裁判台に乗ったまま花道へ。
そのまま後方サブステージへ移動し、そこに控えるSakura(gibkiy gibkiy gibkiy / Rayflower / ZIGZO)、YUKI(Rayflower、DUSTAR-3)、分島花音へ「素敵な音楽が聴こえるわ」と、うやうやしくHYDEが挨拶。「あたくしも1曲歌いたい気分になってきたじゃないの、歌っていいかしら? 古い、あの曲を」と、L’Arc〜en〜Cielの1stアルバム『DUNE』に収録されている「Entichers」を披露。ライヴで演奏されること自体が久しい曲だけあって、悲鳴に近い声を上げる者、じっと涙を浮かべる者、観客らの様々な想いが交錯する中、ロマンティックに歌い上げ、「ああ、気持ちよかった」と満足そうな表情を見せた。
HYDEがステージを去ったあとには、ROLLYが登場。グラマラスでゴキゲンなギターをかき鳴らし、続いてDAIGOがデビュー当時(DAIGO☆STARDUST)の衣装をまとい、彼がボーカルをとり、L’Arc〜en〜Cielの「SEVENTH HEAVEN」へ。HALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAの面々も、ステージ狭しと、それぞれがフロアを盛り上げていく。
陽気に挨拶するROLLY、そして「ROLLYさんはギターで魅せるギタリスト、俺はパンツを見せるギタリストです!」と、超絶技巧ギタリストの前で開き直る下着姿のエアーギタリスト・喜矢武豊(ゴールデンボンバー)。そんなやりとりの中、DAIGOが「HYDEさんはどこへ行ったんだろう?」とつぶやくと、白い女王の姿にチェンジしたHYDEが花道へ降り立つ。紙吹雪が舞い落ちる中、「VAMPIRE’S LOVE」から、「FAKE DIVINE」へ、静と動の鮮やかな対比を見せつけたかと思えば、その姿は鮮血に染まり、幕が閉ざされる。
3年連続の出演となるYOSHIKIと、HYDEによるコラボステージを今か今かと待ち構える観客たち。「Miracle」が流れ始め、世界各国で演奏しているYOSHIKIの映像がスクリーンに映し出される。そして幕が上がると「Forever Love」を奏でるYOSHIKI。「みんな元気? ハッピーハロウィン! 今日はYOSHIKI&HYDEってことで」と笑顔で挨拶すると、HYDEも再びステージに登場する。ウェーブヘアに真っ白な衣装という出で立ちに「その格好は? デビュー当時のHYDEくんですね」と呼びかけるYOSHIKI。一方、赤いジャケットとエクステンションの彼も「僕もね、デビュー当時っぽくしようと思ったんだけど、半分くらいしかできなかった(笑)」と照れくさそうに語り、これまで(『YOSHIKI CLASSICAL』はあったものの)“YOSHIKI”の冠をつけてリリースしたのは初めてなので、YOSHIKI feat. HYDE名義の『Red Swan』は実質デビューシングルみたいなものだと言い、「デビューシングルをHYDEに歌ってもらえるなんて、なんて幸せなんだろう」と語るYOSHIKIに、HYDEも嬉しそうに頷いた。
「Red Swan」の後は、HYDEが“海外の人から見た日本”をイメージして作ったという「ZIPANG」を2人で披露することに。
X JAPAN「ENDLESS RAIN」 では、観客を巻き込んだシンガロングが幕張メッセに響き渡り、続いては再びHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRAのメンバーが登場。YOSHIKIもギターを手にすると、HYDEが「バンドで練習してきた曲があるんですけど、いいですか?」とYOSHIKIに尋ね、「X」を全員で演奏。ド派手な火柱の上がる中、花道を練り歩くHYDEとYOSHIKI、そして観客の“Xジャンプ”で会場はひとつになり、それをDAIGOが「これはSKG……3度目の神々ですね」とまとめた。
最後はジェジュンや青木隆治も登場し、全員でお菓子をフロアに投げ込みながらの「HALLOWEEN PARTY」で大団円となった。
今年は意外なカバー曲やファン感涙のレア曲、大型コラボも飛び出した『HALLOWEEN PARTY』。もはや日本の風物詩といっても過言ではない、この幸せすぎる地獄のパーティー、来年の開催も期待しながら待っていたい。
(取材・文=藤谷千明/写真=緒車寿一、今元秀明、田中和子)