Kis-My-Ft2、King & Prince、嵐……“ジャニーズ”らしいポップス並ぶ10月リリース振り返る
嵐『君のうた』
11月にデビュー20周年を迎えた嵐の最新作「君のうた」は、相葉雅紀主演のドラマ『僕とシッポと神楽坂』(テレビ朝日系)の主題歌。アニバーサリーイヤーを迎え、ますます注目を集める5人が満を持してドロップしたシングルは、驚くほどにシンプルで美しいポップソングだ。
ストリングスが印象的なイントロに導かれて展開される、小気味よく美しい歌メロ。穏やかさと爽快感の共存するサビのユニゾンは、目を閉じれば宙を舞う琥珀色の枯れ葉と柔らかな秋の風が感じられるよう。新生活への応援歌にも聞こえる前向きでひたむきな歌詞がどこまでも嵐らしい。
大サビ前の、相葉の優しさとひたむきさが滲みだしたソロボーカルが、そのテーマ性をより強く際立たせる役割を担っており、ドラマの世界観にもしっかりとマッチしている。嵐の秋が来たな、と感じさせてくれる温かくも爽やかな1曲だ。
カップリングは打って変わって洋楽ライクでドープな3曲。“嵐の真骨頂はカップリングにあり”とはファンの間でよく言われる言葉だが、どれもこれから始まるライブツアーでのパフォーマンスが楽しみになるようなダンサブルな楽曲となっている。
グループそれぞれの“らしさ”と“優しさ”がぎゅっと詰め込まれた、10月リリースのジャニーズグループ楽曲。優しく抱きしめられたい秋の夜長、そしてそっと背中を押してほしい秋の朝のお供にしてみてはいかがだろうか。
■五十嵐文章(いがらし ふみあき)
音楽ライター。主に邦楽ロックについて関心が強く、「rockinon. com」「UtaTen」などの音楽情報メディアにレビュー/ライブレポート/コラムなどを掲載。noteにて個人の趣味全開のエッセイなども執筆中。ジャニーズでは嵐が好き。
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