Halo at 四畳半、Saucy Dog、mol-74……若手バンドが描くそれぞれの“失恋ソング”
mol-74「◁◁ (瞼)」
1月17日にリリースされたミニアルバム『▷ (Saisei)』の収録曲「◁◁ (瞼)」。美しすぎるサウンドと、タイトル通り“瞼”をテーマにした歌詞、そして武市和希(Vo/Gt/Key)の透き通るような綺麗な歌声が相まって、心にダイレクトに突き刺さる。同曲からはまるで、冬の空気のようなひんやりとした冷たさを感じた。〈寝顔も、笑顔も、優しい泣き顔も〉という歌詞が、曲が進行するにつれて〈~瞼を開けば映ってたのに〉〈~瞼を閉じれば映ってるのに〉〈~僕のすぐそばで映ってた時〉と変化していき、最終的には〈~これで最後なんて知らなかったよ〉とドラマチックに展開。そして、〈忘れないから〉と3回歌い、終わっていく。この〈忘れないから〉を武市が、微妙に異なるニュアンスで1度目、2度目、3度目と歌うことで、より切なさが増す。1度目は君に誓うように、2度目は自分に言い聞かせるように、そして3度目は瞼を閉じなければ君と会えなくなってしまった今を噛み締めるように。
「▷ (Saisei) 」release & live trailer
ほかにも、複雑で重厚なバンドアンサンブルと琴線に触れる黒川侑司(Vo/Gt)の歌声が魅力的な4人組ロックバンド・ユアネスの「Bathroom」(3月21日リリース1st Mini Album『Ctrl+Z』)や、「僕、back numberが好きで。自分が振られた時にback numberを聴いて、“僕もこういうふうになりたいな”と思ったのがきっかけですね」(平部雅洋(Gt/Vo)/引用:OKmusic)などの失恋ソングが描く、リアルな歌詞とエモーショナルなメロディに、思わず涙が出てしまいそうになるほど感情が刺激される。誰もが一度は経験するであろう失恋をテーマにした楽曲だからこそ、多くのリスナーが共感し、心に残る1曲となるのだろう。
(文=戸塚安友奈)