2018年は“BTS(防弾少年団)の年”だった? 『MGA』ノミネートから紐解くK-POPシーンの今
年末に向けて音楽業界では毎年恒例の賞レースが始まっている。韓国も例外ではなく、以前紹介した『MelOn Music Awards』を皮切りに、これから授賞式ラッシュを迎えることになる。
11月6日には、『2018 MBC PLUS × genie music AWARDS(MGA)』が仁川で開催される。この授賞式は、韓国テレビ局・MBS PLUSと音楽配信サービス・genie music、さらに日本の音楽専門CSチャンネル・MUSIC ON! TVの共同で行われ、日本でも生中継される。また、韓国でも人気の高いチャーリー・プースや、日本からはGENERATIONS from EXILE TRIBEが参加し、パフォーマンスをすることになっている。
今回はこの『MGA』の大賞部門「ベストアーティスト賞」「ベストソング賞」のノミネートアーティストから現在の韓国の音楽シーンについて考察してみたい。
やはりBTSか? 「今年のベストアーティスト賞」
『MGA』における重要な賞は、おそらくこの「今年のベストアーティスト賞」だろう。ここには今年デビューをした新人を含め33組のグループとアーティストがノミネートされている。ビルボードで1位を取ったBTS(防弾少年団)はもちろん、今年で期間限定の活動を終えるWanna Oneも選ばれている。
他の面子を見ても、TWICEやiKON、SEVENTEENといった人気のアイドルグループが中心といったところだ。毎年、賞の常連であったEXOの名前がないのだが、それはこの賞が今年活躍したアーティストを中心にチョイスされているからだろう。そんな彼らは11月に久々にカムバックをする予定だ。
ノミネートアーティストの中には、日本のバブリーダンスを意識した芸人グループ・CELEB FIVEも入っており、思わぬ番狂わせがあったら面白いのだが、順当にいけば、BTSが大賞を取るだろう。それくらい2018年は「BTSの年」だったと言える。
音源チャート王者に注目「今年のベストソング賞」
「今年のベストソング賞」は今年を代表する1曲を決める賞になる。35曲がノミネートされているが、これが先ほどのアーティスト賞と違い、“曲”で評価されるためなかなか面白いラインナップになっている。当然、音楽マーケットを賑わせたBTSは「FAKE LOVE」「IDOL」の2曲がノミネートされているが、無名のアーティストも入ってくることがある。
筆者が注目したいのは、「Tale」と「Deepen」の2曲がノミネートされているMeloMance(メロマンス)だ。彼らは2015年にデビューをした、ボーカルのキム・ミンソク、ピアノのチョン・ドンファンによる音楽デュオ。2017年にリリースしたアルバム『Moonlight』のリード曲「Gift」が音楽チャートを逆走したことにより、一気に有名になった。その勢いは2018年に入っても止まらなかったということだろう。
本人たち曰く「落ち着いた曲調の音楽と、盛り上がる音楽まで、色んなライブと音楽で皆さんに幸せを伝えているのが魅力だ」という。アイドルのような華やかさがあるわけではないのだが、彼らの作るまっすぐな音楽は多くの人たちの心を揺さぶり、今年の音楽チャートを賑わせたのは事実だ。
他にも、同じように音楽チャートトップ常連の赤頬思春期(BOL4)「Travel」やHYUKOH「LOVE YA!」、Heize「Jenga(feat.Gaeko)」などもノミネートされている。