MONKEY MAJIK×サンドウィッチマン、「ウマーベラス」なぜヒット? 異色コラボ成立する柔軟性

MONKEY MAJIK「ウマーベラス」ヒット理由

 MONKEY MAJIKが8月31日に配信リリースした最新曲「ウマーベラス」のMVが、公開から1週間で100万回再生を突破。現在は260万回を超え、話題となっている。

MONKEY MAJIK × サンドウィッチマン / ウマーベラス(歌詞付き)

 配信数でも、MONKEY MAJIK史上最速の伸び率を記録しているが、その理由のひとつはサウンドや映像の“ダサカッコよさ”だ。チープなCGを多用したサイケな空間といい、MONKEY MAJIKメンバーらが着用したド派手な衣装といい(Earth, Wind & Fire「Let‘s Groove」の世界観をイメージしたとか)、ツッコミどころがとにかく満載。SNS等でも「ダサいのに中毒性がヤバイ。なぜもっと早く聞かなかったのかと後悔したレベル」「何度見ても飽きない」などの声が相次いでおり、2018年を代表するヒットソング、DA PUMPの「U.S.A.」にも近いバズを生み出している。

 特筆すべきは本作が、お笑い芸人サンドウィッチマンとのコラボ楽曲であること。MONKEY MAJIKのメンバーは宮城在住、またサンドウィッチマンのふたりも宮城出身とあって、これまでも共通の友人を介してお互いのライブに足を運ぶなど長年にわたって交流を重ねてきた。そんな縁から、サンドウィッチマンのレギュラー番組『サンドのぼんやり~ぬTV』(TBCテレビ)オープニング曲をMONKEY MAJIKが書き下ろすことになり、本格的なコラボ曲の制作に発展。タイトルはサンドウィッチマン富澤たけしの食レポ時のキメゼリフ「ウマーベラス」から取られていたり、サビには伊達みきおの提唱する “カロリーゼロ理論”から、「どれだけ食べてもゼロカロリー」のフレーズを使用するなど、ふたりの鉄板ネタが70~80年代のディスコミュージックにのせて歌われる、いわばコミックソングに仕上がった。

 ついリピートしてしまう要因は、間奏部分にネタを挿入したり、「歌えば痩せる?!曲」というコンセプトになぞらえた出演者全員のダンスシーンなど、MVならではの見せ場が多いことだろう。加えて〈牛タン せり鍋 ずんだ餅〉〈昨日は何も無かった Yeah Nothing 突然できた寿司屋 興奮してきたな〉など、宮城の名物を連呼したり、サンドのネタを取り入れた異色の歌詞も楽しい。一見意味不明な歌詞も、ボーカルのメイナードとブレイズが歌うことでまるで英語詞のようにも聴こえるし、そこに来て楽曲はEarth,  Wind & FireやKOOL & THE GANGなどの70年代サウンドにオマージュを捧げた筋金入りのファンクサウンド。楽曲だけ聞けば素直にカッコイイのに、映像は笑えるバカバカしさ。そのギャップが最大の魅力となっている。MONKEY MAJIKとサンドウィッチマン双方が、堂々と自分たちをネタに仕掛けた壮大なウケ狙いが見事ハマったかたちだ。  

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