MONKEY MAJIKが提示する“バンドの味”とは?「自分のビートやメロディを出していきたい」

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 MONKEY MAJIKが2月4日にアルバム『Colour by Number』をリリースした。吉田兄弟とのコラボ曲「夏の情事」や、東北へ復興の想いを歌った「You Are Not Alone」、三陸鉄道が創設する野球部への応援ソング「Beautiful」などの話題曲を収録しつつ、バンド本来の小気味よいアンサンブルを聴かせる新録曲を多数そろえた本作。今回リアルサウンドでは15周年を飾る同作について、メンバー4人にインタビューを実施。MONKEY MAJIKというバンドの“音”へのこだわりから、日本とカナダの混合バンドならではのJ-POPと洋楽への眼差し、さらには新作のコンセプトなどについて、じっくりと話を訊いた。

「ひとつだけ真似できないのは、J-POPの独特なコードチェンジ」(メイナード)

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メイナード(ボーカル/ギター)。

――今年でバンド結成15周年を迎え、このバンドにしか出せない音、というのが生まれていると思います。今作『Colour by Number』はまさにMONKEY MAJIKサウンドを追求した作品だと思うのですが、みなさんはバンドの音をどう捉えていますか。

メイナード:反則ではあるんですけど、“外国人が日本語で曲を作って歌っている”というアーティストは珍しいから、その時点で誰も真似できないんじゃないかなって(笑)。ただ、それ以外の部分は、やろうと思えばできることだと思う。僕らが特別なパワーを持っているかといえば、そうではなくて。ただこの4人が集まって作っているから、この音になっているというのは大きいかな。

ブレイズ:そう、そこまで考えずに、このバンドで音楽を作っているだけ。もちろん、自分だけの“味”というものはあるから、それは出せるようにがんばっています。ミュージシャンに限らず、みんな自分のビートがあって、自分のメロディを持っている。でも、それをちゃんと出せている人は実は少ないんじゃないかと思うんですよ。

――“外国人が日本語で~”というお話もありましたが、例えば「PHONE CALL」や「Crazy」のように、英語の歌詞の曲でも、日本のポップスを思わせるような構成が出てくることがあります。アメリカやイギリスのポップスだと、もっとシンプルになりますよね。

メイナード:僕らのルーツには日本のポップスもありますからね。ただ、ひとつだけ真似できないのは、J-POPの独特なコードチェンジ。たぶん演歌から来ていると思うんですけど、音楽オタクが作っているような複雑さがあって。なので、基本的には洋楽っぽく、シンプルに仕上がる感じです。僕もブレイズもビートルズのような、Aメロ、Bメロの繰り返しが好きだったりするので。

ブレイズ:複雑な構成で、緻密に誘導されているような作品より、余白の中にいったい何があるのか…というものの方が、作品としても深みがあるようにも思っていて。歌詞は特にそうで、日本の曲を聴くと全部言ってしまっているのが多いと思う。

メイナード:確かに、全部誘導されて、「ここで泣くんだよ」というようなものが結構あるよね。

――洋楽的な、行間を読ませるタイプの歌詞のほうがいいと。

TAX:僕も、少し突き放して行間が空いている歌詞が好きですね。洋楽を聴いてきた影響もあると思うんですけど、「これくらい分からないものでもいいんだ」という意識が自分の中にあると、もっとわけのわからない、とっ散らかったものにしたくなる(笑)。次こそはという野心はありますね。

メイナード:でも、なんでなんだろう。日本人は真面目だからか、外国はメロディ優先で、日本は歌詞が優先というイメージがありますね。

――昔の歌謡曲は、“先生”が歌詞を書いて、それをみんなで作曲したと言いますね。

メイナード:たまに昔の曲で「なんであんなに売れたのかな」と聞いたら、「歌詞がいい」と答えが返ってくることが多くて。

ブレイズ:だから、TAXにもがんばってほしい(笑)。

メイナード:歌詞がいい、というのは分かるんだけれど、歌詞が最初に来るというのはちょっと考えられないんです。僕らはどんなにいい歌詞でも、メロディがよくないとダメだと思う。

———なるほど。では新作『Colour by Number』のお話を詳しく聞きたいのですが、今回は曲調には幅がありつつ、ライブ的な躍動感のある演奏で一気に聴くことができました。9月末の中野サンプラザで披露していた楽曲も収録されていますね?

ブレイズ:そうですね。先に何曲かはできていて、去年の7月にリリースした「夏の情事」からスタートしたともいえるんですけど、きちんとスタジオに入って制作をスタートしたのはここ最近で、2ヶ月くらいで完成しました。今までで一番早かったですね。

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