V6 三宅健、市川海老蔵にシンパシー抱いていた? 六本木歌舞伎第3弾『羅生門』出演に寄せて

 三宅にとって本格歌舞伎には初挑戦となるが、滝沢秀明が主演・演出を務める『滝沢歌舞伎』には3年連続で出演してきている。ジャニーズの伝統が詰まったショーではあるものの、“歌舞伎”と名のつく舞台の経験は、六本木歌舞伎でも必ずや活きてくることだろう。滝沢の引退&プロデューサーへの転身が発表された今、滝沢からの異例のオファーで始まったふたりの共演が、ジャニーズ全開のKEN☆Tackeyという新たなアイドルユニットを生み、さらには本格歌舞伎への足がかりとなったと考えると、感慨深いものがある。三宅の可能性を見抜いた滝沢のプロデューサー資質に感心するが、その期待に応えていく三宅のバイタリティの豊かさにも改めてあっぱれだ。

 どんな展開でも、期待以上の結果を残してきた三宅。「まだ、どんなものになるのか全く分かりませんが、この未知数が楽しくもあり、恐ろしくもありますけどね」と笑うが、『羅生門』といえば、若い下人と老婆の掛け合いがメインの物語だ。いずれにしても、三宅のこれまでの印象とは大きく変わる役柄に違いない。三宅からどのように人間のエゴが引きずり出されるのか、楽しみでもあり、怖くもある。

 「(市川海老蔵と)年齢もね、2つしか変わらないというのもビックリ」という三宅の言葉は、聞いているこちらのセリフだが、歌舞伎界のスター市川海老蔵と、永遠のアイドル三宅健。それぞれの経験を持ち寄るからには、革新が起きる舞台になることだろう。

(文=佐藤結衣)

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