『V6の愛なんだ』総合演出に聞く、メンバーとの番組作り 「愛があるなと感じてくれたら嬉しい」

『V6の愛なんだ』総合演出インタビュー

 本日9月24日に『V6の愛なんだ2018』(TBS系)が放送される。同番組は2017年の『V6の愛なんだ2017 史上最高の夏まつり!』に続き、『学校へ行こう!』スタッフが集結して制作されたもの。『学校へ行こう!』人気企画の「未成年の主張」全国大会や、V6の学校巡りの旅など様々な企画が予定されている。今回リアルサウンドでは『学校へ行こう!』誕生時から番組に関わり、総合演出を務める江藤俊久氏にインタビューを行い、番組の見どころからV6メンバーとの関係性、番組にかける思いまでじっくりと聞いた。(編集部)

「一番のモチベーションはV6が笑えるような、楽しいキャラクターを見つけること」

ーーまず、テレビの仕事を始めたきっかけは。

江藤俊久(以下、江藤):きっかけは、恥ずかしい話なんですが、テレビ局に入ったらモテると思ったからです。ギターが弾けたらバンドなんでしょうけど、僕はギターも弾けないし顔もロックじゃなかったから(笑)。ドラマのプロデューサーになったら女優さんと付き合えるかも……という不純な理由でドラマ志望だったんですが、案の定バラエティ配属で(笑)。入社26年目ですが、異動ゼロです。

ーーこれまで手掛けられてきた番組を教えてください。

江藤:『さんまのからくりテレビ』立ち上げからADとして参加し、『学校へ行こう!』にずっと携わってきました。『ディスカバ!99』という番組を立ち上げた時からナイナイ(ナインティナイン)さんとご一緒させていただき、AD時代に『オールスター感謝祭』に関わったこともあり、島田紳助さんの『紳助社長のプロデュース大作戦!』などもやりました。その流れで、『ナイナイのお見合い大作戦!』などにも関わっていましたね。

江藤俊久氏

ーー名物番組ばかりですね。『学校へ行こう!』は最初からずっと関わっていたんですか?

江藤:はい。立ち上げメンバーで、最後までいました。今の編成局長の合田(隆信)が番組を立ち上げて、僕は若手ディレクターとして携わっていて。翌年、合田が他番組のスタートで多忙になったため、僕が総合演出を引き継いだ形です。

ーー番組誕生の経緯も教えてください。

江藤:僕自身は若手だったこともあり、企画立案には関わっていないのですが、V6と番組をやりたい、というのがまずあったようです。「何をやろう?」となった時に彼らがバラエティとしては全く未知数の状況で、彼らの強みを考えたところ、学生たちの兄貴分だろう、と。また、当時学校で凄惨な事件が続いていた時期で、いじめ問題もあったり、学校のイメージが良くない時期でもあった。学校は楽しいところだ、と体現できるバラエティが作れたら、というところから、『学校へ行こう!』が誕生したと聞いています。

ーーコンセプト通りの番組になりましたね。人気キャラやコーナーも多かったと思うのですが、意識されていたことはありますか。

江藤:V6をアホほど笑わせたいな、跳ばせたいな、という思いは常にあって。本当に面白い時って、跳ぶんですよ、彼ら。さすがに最近は年齢を重ねたのでないですが(笑)。もちろん彼らが主役のロケもありますが、一番のモチベーションはV6がゲラゲラ笑えるような、楽しいキャラクターを見つけることでした。「未成年の主張」では、サッカー部や野球部のような目立つ存在ではなく、ちょっとマイナーな部活の生徒や帰宅部の生徒にもキャラクターの良い子がいるので、そういう子が見つかったら良いな、と思ってやっていました。僕自身、中学時代は卓球部の幽霊部員だったので(笑)。

ーー「東京ラブストーリー」も印象的でした。

江藤:サオリやミホのような“コギャル”は妙に鋭いところがあって、言うことが的確なんです。二人に最初に会った時に「僕、彼女いないんだけど、どこが悪いと思う?」って聞いたら、サオリが「その姿勢な」って言ったんですよ(笑)。一言で物事の本質を突くところがスカッとするんだな、と思って。ちなみに二人とは今でも付き合いがあって、実は今回も少し関わってもらっています。

ーーそうなんですね。「B-RAP HIGH SCHOOL」や「癒し系ミュージシャン」「ヴィジュアル系-1グランプリ」といった音楽に関連する企画も多い番組でした。

江藤:音楽は時代を映すので、演出の方法論を考える時に音楽に関する企画は必然的に多くなります。企画タイトルは色々変わりましたが、基本的にやっていることは変わっていませんでした(笑)。最初「癒し系ミュージシャン」という企画をやって、その後の企画として会議でラップが挙がったんですよ。でも探したら全然いなくて、変なのばっかり集まっちゃった(笑)。軟式globeが来た時のことはすごく覚えています。会った時、「絶対これは当たる」「話題になる」って。当時、若者の気持ちをキャッチすることを大事に思っていたんですが、僕らスタッフにラップの素養がないから、少しズレてしまってあんなコーナーに(笑)。

ーーでも、そのズレこそが面白さの秘訣だったのかもしれません。他に思い出深いコーナーは?

江藤:それぞれ思い出深いですが、「未成年の主張」はやはり思い入れがありますね。何が好きかと言うと、誰でも出られること。屋上に上がって叫ぶ勇気さえあれば良い。色々な学生と会えるプラットフォームになっていたように思います。言ってしまえばこの企画はあくまでも器で、屋上に上がってくるのは“今”の生徒だからいつでも面白く、古くならないんだと思います。あとは「GO森田」シリーズなど、コギャルに関連した企画ですかね。

ーーメインの視聴者も番組に出てくるような学生たちだったかと思うのですが、当時、教室で番組の話題で盛り上がったことを思い出します。

江藤:実は、僕も街で女子高生が『学校へ行こう!』の話をしているところに遭遇したことが2回あって。「未成年の主張」と「休み時間向上委員会」だったんですけど、V6と作ってきたものが具体的に人に浸透していることが分かる瞬間で、すごく嬉しかったのを覚えています。高い視聴率を残したり演者に楽しんでもらうだけでなく、血の通った人に届いていることを実感できるのもテレビマンとしての喜びです。

ーータレントではなく、一般の方がメインで出演する番組でしたが、オファーで苦労をしたことはありますか。

江藤:おかげさまでないですね。今回も4000くらい応募がありましたし、レギュラーでやっていた時もひっきりなしでした。番組を応援してくださって、出たいと思っている人がいるのはすごくありがたいです。むしろ皆さん熱意があって、選ぶのが難しい。

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