山下智久の“UNLEASHED”な挑戦 NEWS、香取慎吾への思い語った『MYOJO』から感じたこと

 「俺が言ってはいけないのかもしれないけど、過去にとらわれたくないし、もし何か壁があるなら、そんな壁は壊せばいい。メンバーとなにか一緒にできたらおもしろいんじゃないかなって感覚はずっとあって。例えば俺のアルバムに誰か参加してくれないかなとか」と、時を経て改めてメンバーと共にファンが喜ぶような展開に前向きな姿勢を見せた。

 ブレない軸と、柔軟な思考。山下が、そのバランス感覚を養う上で、欠かせなかった人生の出会いが3つあるという。「お前はずっと同じ電車には乗っていられないんだな。電車じゃなくてジープに乗って縦横無尽に走りたいんだな」と山下のモヤモヤした気持ちを言葉にしてみせた山崎努。「常にルーキーでいろ」と刺激を与えてくれたリリー・フランキー。そして、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」という言葉を大事にしているのだと教えてくれた香取慎吾だ。

 そうした出会いを経て、みんなと競うような部活感覚で取り組んでいた仕事も、『コード・ブルー』の影響でドクターヘリが増えたことを聞き大きく意識が変わったという山下。「社会にいい影響を生み出す可能性を持っている、すごい仕事だなって」。今、山下の視野は社会全体に広がっている。

 「自分のためにがんばるって限界があるから。些細なことでいい。僕をきっかけに、少しでも、その人の世界を広げることができたら」。山下の行動には、この思いが一貫している。ジャニーズ事務所内の後輩たちの悩みに向き合うのも、英語を習い続けるのも、中国版SNS「Weibo」に公式アカウントを開設したのも、仮に関係性が変わったとしても一緒に愛した楽曲を歌い継ぐのも……。そこに待っていてくれる人がいるなら、山下は臆することなく突き進む。「みんながハッピーになれる選択肢があるんじゃないかなって思ってる」。そのためなら自ら壁を壊す覚悟も辞さない。もっと制限なく、もっと自由に。“UNLEASHED”な山下智久の挑戦は、これからも続く。

(文=佐藤結衣)

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