山下智久の“UNLEASHED”な挑戦 NEWS、香取慎吾への思い語った『MYOJO』から感じたこと

 この秋、山下智久の躍進が目覚ましい。7月より公開された主演映画『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』が90億円を突破する大ヒットを記録。これは邦画実写映画としては実に15年ぶりの快挙だという。

 KAT-TUN 亀梨和也とのスペシャルユニット・亀と山Pのシングル『背中越しのチャンス』のリリースはあったものの、この2年は俳優業に専念していた山下。およそ2年の時を経て、今年8月に音楽活動を再開すると、9月15日には安室奈美恵のラストライブとなった音楽イベント『WE ♥ NAMIE HANABI SHOW 前夜祭 ~I ♥ OKINAWA/I ♥ MUSIC~』にサプライズ出演。コラボ曲「UNUSUAL」を披露し、安室の引退への花道を盛り上げた。

 また、10月6日より放送開始されるアニメ『逆転裁判 ~その『真実』、異議あり!~Season2』(日本テレビ系)のオープニング主題歌に、新曲「Never Lose」が決定。11月には新たなアルバムのリリースも控えており、発売に先駆けて9月よりスタートした15ヶ所を巡る全国ツアーも大盛況。最新アルバム、及びツアーのタイトルは“解き放たれた、抑制がなくなった”という意味を持つ『UNLEASHED』。まさに、今の山下にピッタリな言葉だ。

 『UNLEASHED』ツアーで、山下は2012年に香取慎吾とタッグを組んでリリースした「MONSTERS」をセットリストに取り入れた。その真意が、雑誌『MYOJO』(2018年11月号)での10,000字インタビューから垣間見ることができる。「今回は、年令、性別問わず、2時間視覚的にも気持ち的にも、ただただ楽しい時間を過ごしてもらおうっていうシンプルなコンセプトなんです」懐かしい楽曲を聞くことができるのは、ファンにとっては嬉しい限り。だが、香取がジャニーズ事務所から新たな道を歩みだした今、このタイミングで、この曲を聞けるとは思わなかった、という人も少なくないのではないか。

 「ここだけは自慢なんですけど、ステージの上に立てるというのは、僕が勝ち取った特権だと思っていて。物心ついたころから、それこそ命がけで戦ってきた。どうやったら人気が出るか、どうやったらいいパフォーマンスを発揮できるか、ずーっと試行錯誤を繰り返してきた、だから言わせてもらいますけど、僕はステージに立つ権利を勝ち取れたんだと思ってます」。権利があるからこそ、自分がシンプルにいいと思うものを届けることができる。その信念の強さを感じられる言葉だ。その自信の源は、ファンの存在だったと語る。そして「もしものときは自分で借りられる範囲の会場を借りて、コンサートをすればいいと思ってたから。だって、目的は大きな会場でやることじゃなくて、聞きたいと待ってくれている人に届けることだから」とも。

 山下といえば、2011年にNEWSを脱退する大きな転機を経験した。「ソロになった直後は喪失感もあって」と、今だから語れる当時の想いを明かす。仲間だけど、グループの前に、それぞれが独立した個でありたい。自分のちからで未来を切り開きたいという思いが強かったからこその脱退。NEWSでは1位だったCDの売上も、ソロでは1位にならない、そんな辛酸をなめたこともあった。それでも山下は「後悔はまったくないです」と断言する。悔しい思いも、厳しい場面も、山下は真正面から受け止める。だからこそ、変わり続けられるのだ、と。

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