Mr.Children、フジファブリック、yonige……大きな壁を乗り越え、傑作をモノにしたバンドの新作

東京カランコロン『わすれものグルービィ』

 新レーベル移籍を機に“「東京再起動」プロジェクト”を掲げた活動を行ってきた東京カランコロン。“いちろー(Vo/Gt)、せんせい(Vo/Key)のツインボーカルを軸にした独創的かつ普遍的なポップミュージック”というテーマを改めて見つめ直し、ライブや楽曲を通して表現してきた5人は、ミニアルバムである本作『わすれものグルービィ』によって、新たな境地に辿り着いた。基本となるスタンスは、自然体のポップネス。そのことをもっとも端的に示しているのが、〈巻き戻せないから、日々は愛おしい〉というサビを持つ「ユートピア」だろう。解放的なメロディライン、カラフルなサウンド、そして、予想不能な日々を楽しもうとする意志が融合したこの曲は、バンドの新しい未来を切り開くはずだ。

東京カランコロン「ユートピア」MV

LUCKY TAPES『dressing』(通常盤)

 バンドの中心である高橋海(Vo/Key)の強い希望によりCharaが参加したスムーズ&グルーヴィーなポップナンバー「Lonely Lonely feat. Chara」、対バンライブをきっかけに親交を深めた BASI(韻シスト/MC)のフロウを取り入れたジャジーなミディアムチューン「COS feat. BASI」など、初のコラボ楽曲を含むLUCKY TAPESのニューアルバム『dressing』。作詞・作曲、アレンジ、プロデュースのすべてを高橋が手がけた本作は、ソウルミュージック、ジャズ、R&B、ファンク、ロックンロールなどの多彩な要素を自由に取り入れることで、楽曲の幅が一気に拡大。ジャンルの枠を超えた、LUCKY TAPESによる最新型のプレイリストと呼ぶべき作品に仕上がっている。

LUCKY TAPES「22」MV

■森朋之
音楽ライター。J-POPを中心に幅広いジャンルでインタビュー、執筆を行っている。主な寄稿先に『Real Sound』『音楽ナタリー』『オリコン』『Mikiki』など。

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