“ゲーム音楽”は次世代音楽文化の礎に? 『NieR』『艦これ』がランクインした最新チャートから考察

 ロンドンのレーベル<Hyperdub>が日本のゲーム音楽をコンパイルした「Diggin' In the Carts」(及びRed Bull制作の同名のドキュメンタリーシリーズ)が話題を呼び、またThundercatやカマシ・ワシントン、フライング・ロータスといったクロスオーバーな活躍を見せるミュージシャンがゲーム音楽からの影響を公言している昨今、ある時代までのゲーム音楽はある種のレアグルーヴのようにカルト的にディグられている。

Diggin' in the Carts (Series Trailer) - Red Bull Music Academy presents
Thundercat - 'Tokyo' (Official Video)

 一方で、現在進行系で発展し、ゲーム、音源、コンサート……とメディアを横断して人びとの心を惹きつける“いま”のゲーム音楽もまた、現代のポップカルチャーの一角を占める重要な存在だと言えるだろう。もちろんそれはゲームをプレイするという経験を前提とした独自の文脈や語法に満ちているのだが、ある限られた枠組みの中で育まれたゲーム音楽がいま意外な分野から熱い注目を集める文化として位置づけられたように、インタラクションやナラティブと結びついた次世代の音楽文化の礎として、いまからウォッチするべきかもしれない。

■imdkm
ブロガー。1989年生まれ。山形の片隅で音楽について調べたり考えたりするのを趣味とする。
ブログ「ただの風邪。」

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