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野宮真貴×小西康陽「東京は夜の七時」が色褪せない理由 25年歌い継がれる様々なバージョンを解説

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メンバー関連

 続いて、ピチカート・ファイヴ解散後にメンバーの小西康陽および野宮真貴が関わった音源について見ていく。

野本かりあ

野本かりあ『東京は夜の七時』(2006)

 ピチカート解散後は様々なアーティストのプロデュースやリミックスをこなしている小西康陽。彼が2005年に設立したレーベル<columbia*readymade>にてプロデュースを手がけた女性歌手のひとりが野本かりあだ。2006年1月、配信限定で「東京は夜の七時 (the first cut)」がリリースされた。かつての名曲が小西本人プロデュースにより再生されるということで大きな話題となる。プログラミングは吉田哲人。歌詞も〈留守番電話が突然 ひとりで廻り始める〉から〈携帯電話が突然 出かける間際鳴り出す〉に変わるなど、オリジナルと大幅に異なっている。

 続けて同年3月に「東京は夜の七時 (karly mix)」「東京は夜の七時 (kagami remix)」を配信リリース。前者は自身もクラブ好きだという野本本人によるリミックス、後者は日本テクノシーンで活躍していたが2010年に逝去したKAGAMIによるリミックスで、代表曲「Tokyo Disco Music All Night Long」から連想してのオファーと思われる。

 同年6月には前述3曲に「東京は夜の七時から七時十一分。 (extended version: karly to 524)」を加えた全4曲のシングルCD『東京は夜の七時』をリリース。「~夜の七時から七時十一分。」は、「karly mix」と「the first cut」をDJミックスのように連結したバージョン。同年9月には前述3曲収録の12インチアナログ盤もリリース。なお、「the first cut」は2007年リリースの野本かりあのアルバム『DANCE MUSIC』にも収録された。

野宮真貴

野宮真貴『30 ~Greatest Self Covers & More!!!~』(2012)

 ピチカート解散後はソロアーティストとして活動中の野宮真貴だが、2012年にデビュー30周年記念アルバム『30 ~Greatest Self Covers & More!!!~』をリリース。数々のアーティストがプロデュースして野宮の過去楽曲をセルフカバーするという趣向のアルバムで、「東京は夜の七時」はRIP SLYMEのDJ FUMIYAプロデュースで歌われた。

 2013年には『「野宮真貴、渋谷系を歌う。」~野宮真貴“渋谷系”スタンダード化計画~』と題したライブを開催。1曲目にビブラフォンを取り入れたジャジーなアレンジの「東京は夜の七時」が披露された(編曲はspam_KASUGAI、坂口修の連名)。翌年にはこの模様を収録したライブアルバム『実況録音盤 野宮真貴、渋谷系を歌う。』をリリース。以降、ライブの毎年開催が恒例となり、関連アルバムも続くこととなった。

 2015年リリースの『世界は愛を求めてる。 ~野宮真貴、渋谷系を歌う。~』には、ライブ版「東京は夜の七時」と同アレンジによるスタジオ録音版を収録。

 2016年の『男と女 ~野宮真貴、フレンチ渋谷系を歌う。~』では、盆踊りアレンジによる「東京は夜の七時 (盆踊りVersion)」を収録(編曲は菊地昇二)。同曲はアルバム発売に先駆けて配信で先行リリースされている。また、アルバムDISC2は「野宮真貴、渋谷系を歌う-2015-。」のライブ録音盤で、ここでも1曲目に「東京は夜の七時」が歌われている(アレンジはジャズバージョン)。

野宮真貴「東京は夜の七時 (盆踊りVersion)」

 2017年リリースの2枚のアルバム『野宮真貴、ヴァカンス渋谷系を歌う。』『野宮真貴、ホリデイ渋谷系を歌う。』では「東京は夜の七時」の出番は無かった。そして前述の通り、ベスト盤『野宮真貴 渋谷系ソングブック』が今年10月末にリリースされる。

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カバー(アーティスト系)

 他のアーティストによるカバーバージョンを見ていく。全部で7アーティスト。

『THE iDOLM@STER』

秋月律子(CV: 若林直美)『THE iDOLM@STER MASTER ARTIST 10 秋月律子』(2007)

 「アイドル」をモチーフにしたゲームおよびアニメの人気タイトル。キャラクターソングシリーズ「MASTER ARTIST」の第10弾としてリリースされたミニアルバム内で、秋月律子 (CV:若林直美)がカバー。〈Yeah, yeah, yeah,〉の歌い方が元気で可愛らしい。編曲は久米康隆。

Fous de la Mer

Fous de la Mer『Ipanema』(2008)

 ドイツのエレクトログループらしいが詳細不明。<Elux Records>からのアルバム『Ipanema』では、ボサノバ風のリラックスしたサウンドでカバー。日本語詞をそのまま歌う女性ボーカルは独特の発音。

バニラビーンズ

 2007年のデビュー以来、アイドル戦国時代シーンを彩ってきたデュオだが、今年10月に解散予定。2009年8月に配信シングルとしてカバー、編曲は横山克。翌年リリースのベストアルバム『VaniBest』にも収録された。

 ちなみに、2015年には様々なアイドルグループがピチカート楽曲をカバーするという企画アルバム『アイドルばかりピチカート』がリリース。バニラビーンズも参加していたが、そのアルバム中では「東京は夜の七時」は取り上げられていなかった。

 2017年にはベストアルバム第2弾『VaniBestⅡ』が編まれたが、そこでの目玉が小西康陽のリミックスによる「東京は夜の七時」再カバーだった。

LADY BiRD

LADY BiRD feat. yula.『東京は夜の七時』(2010)

 dj TENとKAZUHISA HIROTAによるハウス・ミュージック・ユニット。作品ごとにフィーチャリング歌手を替えているが、このシングルではyula.を迎えてカバー。メインバージョンの他に「Club Mix」「Electro Remix」「Trance Remix」を収録している。

 シングルの発売日は7月7日で価格は777円、収録トラック数は7曲と、タイトルの「夜の七時」にとことん合わせている。発売日当日は夜7時から渋谷HMVにてリリースイベントも行われた。

Saku

Saku『Bed Room e.p.』(2014)

 渋谷タワーレコード店員をこなしつつシンガーソングライターとしても活動する女の子。4曲入り初作『Bed Room e.p.』にはオリジナル2曲、カジヒデキ提供曲「STaRt!」、そして「東京は夜の七時」カバーを収録。ちょっとハスキーな歌声で聴かせる。編曲は野村陽一郎。

こんどうようぢ

こんどうようぢ『402』(2017)

 男性モデル/タレントとして活動中。初アルバム『402』内でカバーしており、編曲はサイトウリョースケ。男声ボーカルによる「東京は夜の七時」カバーは珍しいケースだ。

こんどうようぢ / 東京は夜の七時~ファッションコーディネート編~

クレモンティーヌ

クレモンティーヌ『Café de POP from Tokyo Paris』(2018)

  フランスの女性歌手。1990年のソニー・ミュージックエンタテインメントとの契約以降は日本盤を多数リリース。2010年にはアニメソングのカバーアルバム『アニメンティーヌ ~ボッサ・ドゥ・アニメ~』を発表し、「天才バカボン」のボサノババージョンがCMソングに起用されたりもした。

 その流れもあるのか、今年2月リリースの『Café de POP from Tokyo Paris』では渋谷系楽曲とフランスのスタンダードナンバーという、東京とパリのポップスをカバー。アルバム最後に「東京は夜の七時」が収められており、歌詞はフランス語。小沢健二、田島貴男、高浪敬太郎らが参加した1992年作『アン・プリヴェ ~東京の休暇』など、当時から渋谷系ミュージシャンとの関わりもあった彼女がこんなカバーアルバムを出すことになるとは、奇妙なねじれを感じる。

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