嵐、いよいよ結成20年目へ 模索してきたグループの“個性”はどう発揮される?
嵐が本日9月15日に19回目の結成記念日を迎え、グループの結成20年目に突入する。今や不動の国民的アイドルとなった彼らだが、近年はグループとしての個性を模索する季節だったと思われる。本稿では、彼らのリリース作を通じて、ここ数年にわたる嵐の歩みを振り返りたい。
2016年10月にリリースした『Are You Happy?』はポップなサウンドに振り切った多幸感溢れる一枚である。そのキャッチフレーズは、“嵐が思う今の嵐を表現した”。歌手としてはもちろん、俳優に番組MC、そして時にはコメディアンとしての多様な表情を持つ彼らだからこそ、一口に“嵐とは、なにか”を考え直す時期を迎えたのは、当然だったのかもしれない。そんな同作では、5人それぞれが初の楽曲プロデュースに挑戦。いずれも、全員のパフォーマンス楽曲ながら、担当メンバーの趣向が存分に反映されていた。あわせて収録された5人のソロ楽曲も含め、個人のキャラクターが、グループの纏う“普遍性”に昇華された快作だろう。
そこから、さらなるストイックさを伴って“嵐の表現”を模索したのが、翌年10月に発売されたアルバム『「untitled」』だ。同作では、グループの“未完成”な部分をあえて突き詰め、EDMからヒップホップ、さらにはジャズやクラシックなど、様々な色味のサウンドを実験的に導入しているが、そのアグレッシブさを象徴したのが、リードトラック「『未完』」だ。「今の自分たちは“未完成”である」と言わんばかりのタイトルは、飽くなき向上心の表れとも受け取れる。また、前作の楽曲プロデュース企画やソロ楽曲ではなく、今作ではユニット曲に比重が置かれたことも特徴的だ。個人ではなく、グループとして表現の高みを目指した『「untitled」』は、前作に引き続き“嵐とは何か”をより追求した作品だった。
そして、今年2月に発表したシングルのタイトルは、『Find The Answer』。表題曲は、松本潤が主演を務める日曜劇場『99.9-刑事専門弁護士- SEASONⅡ』(TBSテレビ)の主題歌だ。松本が劇中で“事実を突き止める”弁護士に扮していることもあり、このようなタイトルが付けられたのだろう。前作『「untitled」』が“嵐らしさ”を再考した作品だったことも踏まえれば、過去2年間で導き出された、グループとしての“解答”が提示されたとも受け取れる。さらに、〈時に僕らは臆病にもなるけれど/もう恐れない〉という歌詞は、エンターテイナーとして振る舞う、彼らの芯の太さをも暗示しているようだ。