ELLEGARDENからONE OK ROCKへと受け継がれてきた“ヒーローのバトン”

 ONE OK ROCKのライブも、とても感慨深いものだった。

 彼らは単なるオープニングアクトではない。この日の細美武士のMCでも明かされたのだが、むしろONE OK ROCKがこの復活ライブを実現させた立役者だった。彼らがELLEGARDENの4人に話を持ちかけたことから今回のツアーが始まったのだ。

 だからこそ、ONE OK ROCKもその思いを爆発させるような、全力のパフォーマンスだった。世界中を舞台に戦い、数万人相手のライブも行ってきたバンドだからこその、スタジアムクラスのスケール感があった。すごく印象的だったのは、TakaがMCで「いろんな時代にヒーローみたいなバンドがいて、自分たちにとってはそれがELLEGARDENだった」と語ったこと。ELLEGARDENに救われてきた、と言ったこと。

 彼自身は言葉にしなかったけれど、その言葉の背後にはきっと、ONE OK ROCKが今の時代のヒーローたるロックバンドを真っ向から引き受けている自負もあったはずだ。

 そして、そういう熱いライブをONE OK ROCKがやったからこそ、ELLEGARDENもそれに呼応するステージを見せてくれたんだと思う。

 細美武士もMCで言っていたが、そもそも彼らはスタジアムに立つことを目指すようなバンドじゃなかった。デカくなることに、ロックスターに憧れるようなバンドではなかった。でも、細美武士は「ワンオクから一緒にやろうという話をもらって、この日だけはロックスターをやってみようかと思った」と話した。その言葉もすごく胸に迫った。

 この後、ELLEGARDENがどうなるかはわからない。4人にはそれぞれのバンドもある。

 でも、この日のライブは、ちゃんと未来につながる道を示していた。過去のノスタルジーに終わる場でも、ある世代の青春を分かち合うだけの場所でもなかった。ここ10年の日本のロックシーンで、ELLEGARDENからONE OK ROCKへと“ヒーローのバトン”が受け継がれてきたことを、強く感じさせるライブだった。

 そのことが、何より感動的だった。

■柴 那典
1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンを経て独立。ブログ「日々の音色とことば」Twitter

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