ELLEGARDENとONE OK ROCKの対バンを“必然”だと感じる理由ーー両者の歩みから考える

 ELLEGARDENが10年ぶりのライブツアー『THE BOYS ARE BACK IN TOWN TOUR 2018』を行うことを発表し、日本中に歓喜を巻き起こしたのが5月のこと。8月8日の東京・新木場スタジオコーストを皮切りに、8月10日の仙台PIT、そして8月15日の千葉・ZOZOマリンスタジアムという3箇所で、まだまだ先かと思いきや、チケット先行販売の結果にドキドキしているうちに、あっという間にツアーの幕開けが見えてきた。7月18日からは、いよいよチケット一般発売(抽選制)がスタート。7月27日まで行われ、当落発表は8月1日13時。その運命の時間を待ち侘びている人も多い今日この頃だろう。

ELLEGARDEN公式HPより

 そんな、チケット一般発売を目前にした7月11日。ツアーのゲストアクトが発表された。今回のツアーは、事前に“全箇所ゲストあり”という情報が告知されていた。もちろん、言うまでもなく、ELLEGARDENはワンマンライブを成立させられる人気と実力を誇るバンドではあるのだが、彼らはずっと前から対バン形式のライブを愛してきた。復活ツアーだろうと、スタジアムライブだろうと、その姿勢を貫くというメッセージが感じられて、嬉しかったのだが……驚いたのは、そのゲストアクトの名前だ。何と、ONE OK ROCK!

 もう、これも言うまでもないことだけれど、ONE OK ROCKは、現在の日本のロックを牽引し、海外でも頻繁にライブを行う、この時代を代表するロックバンドである。2016年には『ONE OK ROCK 2016 SPECIAL LIVE IN NAGISAEN』において、2日間で11万人を動員。それだけライブを渇望されている、“チケットを取ることが難しいバンド”でもあるわけで、このニュースが発表された直後は、「ELLEGARDENの復活というだけでチケットを取ることが難しいのに、ゲストがONE OK ROCKならますます難しくなる」という悲鳴が、SNSに溢れた。

 筆者も、最初はこの組み合わせを意外に思った。ELLEGARDENにゆかりが深いバンドは、他にもたくさんいる。その中には、スタジアムライブの経験があるバンドだっている。では、ONE OK ROCKがゲストアクトになった理由は? 想像を巡らせれば巡らせるほど、ワクワクせずにはいられなくなったし、これは必然なんだと思えるようになった。

 このゲストアクトが決定するまでには、両者の間で、語り尽くせぬほど細やかな物語があっただろう。それは、ゲストアクトが発表された後に、細美が7月11日放送のラジオ『Hedgehog Diaries』(bayfm)で復活を果たせたのはONE OK ROCKの助けがあったからと語っていたこと、またTakaがInstaglamで綴っていた経緯からも伺える。過去の対談でも、細美はTakaへボーカリストとしてリスペクトしていることを語っていたし、TakaはELLEGARDENをどれだけ愛しているかを語っていた。シンプルに言えば、今回は双方の想いが遂に結実したということなのだと思う。……という前提の上で、ELLEGARDENとONE OK ROCKを見続けてきた筆者の主観として、この対バンが必然だと思った理由を書いていきたい。

 ONE OK ROCKの結成は2005年、メジャーデビューは2007年。ELLEGARDENが活動を休止したのは2008年。被っていた活動期間は、ごくわずかだ。極端な言い方をしてしまえば、ELLEGARDENの活動休止後、バトンをつなぐように、この国のロックを引っ張ってきたバンドのひとつが、ONE OK ROCKだと思う。彼らが、日本武道館や横浜アリーナなど、大きな会場を埋め尽くし、世界に向かって羽ばたいていったのは、2010年以降のことだ。2000年代に、ライブハウスを拠点としながらも、海外にも通じるソングライティングのスキルや、圧倒的な存在感・影響力を誇ったELLEGARDEN。その背中を見続けて、2010年代に大きく飛躍したONE OK ROCK。21世紀がはじまって18年目、平成最後の夏に、この対バンが実現するということは……ロックの教科書に書きたいくらい歴史的なことであり、意味があることだと思う。

 また、この対バンは、現在進行形のモンスターバンドであるONE OK ROCKと、(個々それぞれは音楽活動をしていたものの、ELLEGARDENとしては休止してきた)自分たちは対峙できるのか? という挑戦にも見える。この対バンが、もっと深い縁によって決定した経緯はわかった上で、そういった想像をしてしまうのは……ELLEGARDENは、常にハードルを高め、リスナーを驚かせてきたバンドだからだ。そういった意味でも、究極に“らしい”ゲストアクトだと思う。

 上記ふたつの想像は、ELLEGARDENが今復活することの理由にも繋がってくる。約束を果たすというだけではない、大きなお土産のような意味も見えてくるからだ。

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