けやき坂46、ラストアイドル、原田珠々華……新時代の胎動を感じた『TIF 2018』を振り返る

『TIF 2018』を振り返る

 9年目の開催となるTIFは、今年4月にタイ・バンコクで初の海外開催を成功させ、名実ともにワールドワイドなアイドルフェスに成長した。バンコクを拠点とするBNK48の出演も相まって、会場には例年に増して海外からのファンと女性客が目立った。その一方で、初年度の2010年より出演し続けていたバニラビーンズやPASSPO☆、ベイビーレイズJAPAN、ベボガ!が解散を発表しており、彼女たちにとってはラストのTIF出演となった。

 ベビレは、最終日の西日射すSMILE GARDENのワンステージに全ての思いをぶつけた。エリア後方までぎっちりとファンで埋め尽くされたライブは、言葉はいらないとばかりの熱いステージに。中でも、ラストの「夜明け Brand New Days」は、憂いを帯びた表情や歌うパートから、5人の万感の思いが伝わって来る、涙のパフォーマンスだった。また、大トリ前のHOT STAGEを担当したPASSPO☆は、「少女飛行」でライブをスタートさせ、TIF初年度でも披露していた2010年リリースの1stシングル表題曲「Let It Go!!」をパフォーマンスする一幕も。キャプテンの根岸愛は、「いつ終えてしまうか、分かりません。今を大切に応援してほしいなと思います」と今後のアイドルシーンにバトンを繋いだ。

SMILE GARDENの様子

 最後のTIF出演を飾る一方で、今年が初出演のアイドルグループも多くいた。各日のトリを務めたAKB48グループや坂道シリーズ、WACK所属グループと、アイドルシーンは一大勢力がひしめき合っているが、新しい勢力として拡大しているのが、ラストアイドルファミリー。2017年8月よりスタートした秋元康総合プロデュースによるアイドルオーディション番組『ラストアイドル』(テレビ朝日系)から生まれたグループで、LaLuce、Good Tears、シュークリームロケッツ、Someday Somewhere、Love Cocchiの1期生メンバーからなる5グループがTIFに出演した。全日出演のラスアイは、初日から2日目にかけて、各グループが散り散りになってステージパフォーマンスを行い、最終日は5組のラストアイドルファミリーとして、HOT STAGEに集結。22人で披露する「好きで好きでしょうがない」は圧巻で、2日間に渡って各グループを観ていた筆者は、壮大な物語の中にいるような感覚になった。

 意外にもTIF初出演となるNMB48は、5期生メンバーを中心としたカトレア組でHOT STAGEの舞台を踏んだ。山本彩の卒業発表があり、グループのターニングポイントを迎えているNMB48だが、グループの未来を担うエースの山本彩加をセンターに据えたフォーメーションで、「僕らのユリイカ」「ナギイチ」「らしくない」「ワロタピーポー」「青春のラップタイム」など、怒涛のライブチューン8曲で駆け抜けた。先述した通り、「ナギイチ」はSTU48が披露したように、AKB48グループを代表するサマーチューンだが、ほかにも多くのライブ映えする曲があることを示した、グループの次に繋がるパフォーマンスであったように思う。

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