>  >  > ラストアイドル22名個人PV全レビュー

ラストアイドルの魅力伝える新たな“入口” 『好きで好きでしょうがない』個人PV22作全レビュー

関連タグ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ラストアイドルが、3rdシングル『好きで好きでしょうがない』をリリースした。

 「好きで好きでしょうがない」は、1期生メンバー22人が勢ぞろいした初のラストアイドルファミリーシングル表題曲。Someday Somewhereの間島和奏をセンターに、かつて1stシーズンでセンター争いを繰り広げたLaLuceの阿部菜々実を立ち位置2番に据えている。山戸結希が監督を務めるMVでは、“合同社会科見学”をテーマにこれまでのラストアイドルの歴史をオマージュ。中でも、ワンカットで撮影された2サビからラストまでの間島と阿部を中心としたドラマチックな展開は、息を飲むシリアスな空気を孕んでいる。80回繰り返される〈好きだ〉のフレーズは、単純な好意だけでなくその奥にある愛憎までをも映し出しているようである。サビごとに変化していく振り付けは観ているこちらの感情を揺さぶり、早くもライブでは熱狂的な盛り上がりを見せる楽曲に成長している。

ラストアイドル「好きで好きでしょうがない」MV
ラストアイドル3rdシングル「好きで好きでしょうがない」 初披露LIVE映像

 今作では、DVDの特典映像に個人PVが収録されているのも前作までとは違ったポイントだ。個人PVは、「メンバー×クリエイター」という形式で制作され、メンバーのパーソナリティやクリエイターの世界観が投影された、プロモーション動画にとどまらない映像作品という一つの文化が築かれつつある。乃木坂46が初めて特典映像に収録し、同じ坂道シリーズの欅坂46、AKB48グループではNGT48が取り入れたことで話題となった。

 本稿では、ラストアイドルファミリー22人の特典映像をType AからType Eまで収録順にレビューしていく。

Type A

 Love Cocchi 石川夏海「夢をみている」

 ラストアイドルファミリーの中でも、同じLove Cocchiの西村歩乃果に次ぐ年長メンバーである石川夏海は、長身を活かしたスタイルの良さがグループ随一。個人PVでは、夢に出てくる謎の女性に憧れを抱く本人役で、初の一人芝居に挑戦している。食欲無限大、読書家、飽きっぽいなど、自己紹介を兼ねた本人ナレーションで、初めての個人PVとして彼女のことがよく分かる“入口”として機能している。(director:石井克明)

ラストアイドル 石川夏海「夢をみている」【個人PV(予告編)】

 Someday Somewhere 猪子れいあ「Idoling Stop」

 ラストアイドルにも含まれている「アイドル」という言葉の意味に、猪子れいあは自問自答を繰り返し、やがて一つの答えに辿り着く。どこか大人っぽい雰囲気を持つ猪子だが、まだ年齢はラストアイドルファミリーの中でも年少組の14歳。アイドルソングの歌詞に疑問を抱きながら、グループのフォーメーションやセンター、メンバーそれぞれの個性に葛藤していく様子は、まるで夏休みに縁側で寝転ぶ少女の1日を切り取ったようだ。(director:橋本侑次朗)

ラストアイドル 猪子れいあ「Idoling Stop」【個人PV(予告編)】

 Love Cocchi 大森莉緒「かっとばせ!大森」

 アイドルグループ・eyesとの兼任を務める大森莉緒は、おーりおの愛称でラストアイドルへの挑戦以前から人気のあったメンバー。今回の個人PVでは、アイドルを夢見る本人役でラストアイドルの最終審査と野球部の男子からの告白に揺れ動くというフィクションを演じる。アイドルの恋愛という一般的にはタブーとされる題材をあえて描くことによって、大森のアイドル性をより際立てている。(director:杉山弘樹)

ラストアイドル 大森莉緒「かっとばせ!大森」【個人PV(予告編)】

 LaLuce / シュークリームロケッツ 長月翠「中華飯店 長月」

 ラストアイドルファミリーの中で唯一、LaLuce、シュークリームロケッツの2組を兼任している複雑な立場にいる長月翠。ほかメンバーに比べて数多くのステージをこなし、小室哲哉、秋元康、後藤次利、つんく♂からのプロデュースを受け、人一倍に成長してきた。そんな長月が個人PVでは、殺陣に挑戦。中華飯店の看板娘である長月が、チンピラ相手に見事なアクションを展開していく。少し恥じらいが見える長月の表情の続きは、エンドロールでのNGテイク集でさらに楽しむことができる。(director:田村啓介)

ラストアイドル 長月翠「中華飯店 長月」【個人PV(予告編)】

 Someday Somewhere 山田まひろ「訪問販売員 まひろ」

 山田まひろは、番組スタート時のラストアイドル初期暫定メンバーの一人で、ラストアイドル以外にもNONA REEVES「Sweet Survivor」のMVに出演するなど、個人としても活躍するメンバー。「訪問販売員 まひろ」と題した個人PVでは、4人の個性的な役を演じている。乙女アイドルまひろ、オフィスレディまひろ、昭和アイドルまひろ、おっとり少女まひろ。「買ってくれますよね?」と魅了しセールスしてくる山田を、主観視点で観ることによって様々な表情を持つ彼女の魅力が見えてくる。(director:たかやとらい)

ラストアイドル 山田まひろ「訪問販売員 まひろ」【個人PV(予告編)】

Type B

 Good Tears 相澤瑠香「富小路物語」

 『ラストアイドル』2ndシーズンの決勝戦で、Good Tearsが苦杯を喫した時の「なんで……」と泣き崩れた姿が、視聴者に鮮烈なインパクトを残した相澤瑠香。個人PV「富小路物語」では、相澤は大金持ちのお嬢様を演じる。欲しいものは全て手に入れてきたお嬢様だったが、象を飼いたいという願いは、命の尊さを重んじた父親に断られてしまう。そこでお嬢様が、街で出会うのが会社をリストラされた男。「リストラ」「クビ」といった言葉も知らないお嬢様は、思いがけない発想で男の運命を大きく動かすこととなる。スケールの大きな物語とインサートされる奇抜な絵が、どこかコメディタッチにも感じられるが、相澤の言葉遣いや所作、風貌は気品溢れるお嬢様の雰囲気を醸し出している。(director:小村昌士)

ラストアイドル 相澤瑠香「富小路物語」【個人PV(予告編)】

 Good Tears 朝日花奈「死亡フラグ防止講座」

 朝日花奈は、アイドルグループ・Tokyo Rocketsとの兼任を続けるラストアイドルファミリーでは年長メンバーの一人。個人PV「死亡フラグ防止講座」では、スーツ姿の朝日がゾンビ映画における死亡フラグを8つのケースに当てはめて紹介していく。誰もが見たことのある“ゾンビ映画あるある”に思わずクスリとなる一方で、「どうせどこかで見てるんでしょ!」と監視カメラを探す姿や、黒幕として屋上で狂ったように笑うシリアスな演技は、目を見張るものがある。ちなみに、ラストに待ち受ける展開もゾンビ映画におけるあるあるの一つである。(director:大畑貴耶)

ラストアイドル 朝日花奈「死亡フラグ防止講座」【個人PV(予告編)】

 シュークリームロケッツ 小澤愛実「おに」

 15歳という若さでシュークリームロケッツのリーダーを務める小澤愛実。個人PV「おに」は、豆腐店の娘・山下まみを演じる小澤が、高校生最後の夏休みの日に東京へ行くことを決心する物語。バス停で合流する友人と結局東京へは行かず、2人で海を観に行くシーンは青春の1ページを見ているようであり、現在、中学生最後の夏休みを過ごす小澤ともリンクしている。タイトルが指す「おに」の意味や、ラストのシュールなオチを含めて、どこか小澤のキャラクター性を感じさせる個人PVだ。(director:脇坂侑希)

ラストアイドル 小澤愛実「おに」【個人PV(予告編)】

 Love Cocchi 中村守里「わたしのはじめて」

 「ミスセブンティーン2018」ファイナリスト進出やドラマ『正義のセ』(日本テレビ系)への出演、現在撮影中の映画『書くが、まま』主演など、多くのトピックを持つ中村守里は、初めての個人PVでドッキリにかかる。「はじめての個人PVの撮影現場が異常だというドッキリ企画」「この個人PVでしか見れない顔があるはずです」というテロップのもと、着々とドッキリは進行していく。ドラマ、映画に出演している中村が自然と焦り、強張る表情は、将来貴重な映像になるだろう。(director:オカダトウイチロウ)

ラストアイドル 中村守里「わたしのはじめて」【個人PV(予告編)】

 Love Cocchi 西村歩乃果「そろそろ髪を切らなくちゃ」

 グループのリーダーであり、最新楽曲「Love Docchi♡」のセンターを務めるラストアイドルファミリー最年長の西村歩乃果は、美容師からヘアメイクに転向した経歴を持つ。その整った顔立ちからTikTokでも人気に火がついているメンバーだ。西村の個人PVは「そろそろ髪を切らなくちゃ」というタイトルが象徴するように、変わらないままの自分から変わることを決心した彼女の心情を表現している。夕焼けとオレンジに煌めく海辺、夜の海と花火の閃光に照らされる彼女からは、奥ゆかしさを感じる。(director:池田圭)

ラストアイドル 西村歩乃果「そろそろ髪を切らなくちゃ」【個人PV(予告編)】

「ラストアイドルの魅力伝える新たな“入口” 『好きで好きでしょうがない』個人PV22作全レビュー」のページです。の最新ニュースで音楽シーンをもっと楽しく!「リアルサウンド」は、音楽とホンネで向き合う人たちのための、音楽・アーティスト情報、作品レビューの総合サイトです。

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版