GUY×TOSHI-LOW『アコースティック不法集会』への思い「この形でしか伝わらないものがある」

GUY×TOSHI-LOW『アコースティック不法集会』への思い「この形でしか伝わらないものがある」

 『ACOUSTIC UNLAWFUL ASSEMBLY -アコースティック不法集会-』が6月6日に発売された。同作のリリースは、骸 a.k.a. GUYとTOSHI-LOW(BRAHMAN)が共演した、広島土砂災害復興支援イベント(2015年)でのアコースティックの弾き語りからおそよ3年の構想を経て実現。遠藤ミチロウ、小河原良太、NAOKI、Gotch、FUGU & JAM、ワタナベマモル、柳家睦、八田ケンヂ、ギターパンダ、中川敬、骸 a.k.a. GUY、永山愛樹、BAKI、the LOW-ATUS(TOSHI-LOW、細美武士)といったパンク/ロックシーンで活躍する参加アーティストたちがアコースティックサウンドに乗せて届ける歌声からは、バンドサウンドの時とは一味違った熱量やメッセージを感じ取ることができる。

 今回、同企画の首謀者であるGUYとTOSHI-LOWに、今作のリリースにこめた思いなどについて改めて話を聞いた。聞き手は自らもハードコアパンクバンド・FORWARDのボーカリストとして活動しているライターのISHIYA氏。(編集部)

アコースティックでなにかやりたいイメージはずっとあった

骸 a.k.a. GUY、TOSHI-LOW、ISHIYA

ーーなんでこのオムニバスを出そうと思ったの?

GUY:馴れ初めはTOSHI-LOWの一言なんじゃけど。

TOSHI-LOW:「『アコースティック不法集会』出さないっすか?」って言ったんです。タイトル決まってた(笑)。それしか無かったんで。

ーーそれをGUY君に振ったのはなぜ? TOSHI-LOWならどこでもできそうじゃん。

TOSHI-LOW:アコースティックの弾き語りを一緒に歌って共有したのが凄くデカくて(※2015年に行われた広島土砂災害復興支援イベント『STH FES Vol.1』)。いきなり企画を持ち込んで『ハードコア不法集会』(※1984年発売のオムニバス盤。LAUGHIN’NOSE 、LIP CREAM、G.I.S.Mらの楽曲を収録)を知ってる人だったら余計いじれないし、誰に言ったらいいかな? っていうのは頭の中にあって「ああ、これはGUY君だな」って。

GUY:『アコースティック不法集会』って聞いたときにちょっとビビったもんね。最高なんじゃけど、それを出すためには? みたいなのがあるじゃん。発売元の<AA RECORDS>にはちゃんと言って許可はとった。「ジャケットもモチーフなんで」って。

TOSHI-LOW:俺の好きだったバンドの人たちが今アコギを持って歌ってるんだけど、目立たないんですよね。たまに一緒に歌わせてもらうけど、やっぱりみんなバンドでのステージを観たいんですよ。俺自身も一番最初に遠藤ミチロウがアコースティックで歌うことに対して「バンドやれよ」みたいなことを凄く思ってた時期があって。でも、そう思いながらもほかの人のライブも見てみたら、アコギで歌うスタイルじゃないと出てないものがある、バンドでは出ないものがあるんじゃないかと思い始めて。それがあまりにももったいなくて。だから、アコースティックでなにかやりたいというイメージはずっとありましたね。


GUY:ワシもミチロウさんがフォークになったときに「ええ? マジで?」って思ったのに今自分がやってるっていう変な一致性というか。もちろん別にミチロウさんを真似したわけじゃなくて流れでね。最初アコースティックをやることに対して「意味がわからん」っていうのはあったもん。中学のときにフォークギターを始めたのも本当はフォークをやりたいんじゃなくて、エレキを買ってもらえないからフォークギターだっただけで。そこでエレキを手にしてパンクになったわけじゃん。それからアコースティックを捨てたと思ってたのにあれ? みたいな。

ーーこのオムニバスを企画段階で思いついたのはいつなの?

TOSHI-LOW:3年前かな? 広島の土砂災害で土砂搔きに行って。そのときにGUY君と一緒に土砂搔きしたんだけど、そのあとの復興イベントでしたっけ?

GUY:そう、2月15日の復興イベントの時の話。その(イベントの)少し前にブルーハーツのカバーコンピレーションがリリースされたんだけど、そのアルバムで、the LOW-ATUSが「青空」をやっててね。

TOSHI-LOW:それでベランダかなんかで一緒に「青空」を歌って。

GUY:ワシ人前で「青空」を歌ったの始めてだったんよ。それで弾いたこともないのに、コード自体は簡単じゃけど弾けて、歌も間違えずに歌えたんよ。そこにTOSHI-LOWが乗っかってくれて「凄いな」と思って「気持ちええなぁ~」って思ってたら、たまたま二人きりになるときがあって、そのときに「『アコースティック不法集会』出しましょうよ」って。

TOSHI-LOW:「ここだ! 今しかない!」って(笑)。

ーー復興支援から二人の仲が深まっていったからこの企画が始まった感じだよね。だからこの作品に参加している人には、復興支援に関わってる人が多くなってるんじゃないかと思うんだけど、そういったメッセージを伝えたいっていう思いもあるのかな?

TOSHI-LOW:例えば復興とか反戦とか反核という気持ちもあるけど、純粋に音楽好きっていうのもあるし、半々じゃないですか。その芯は無くならないと思ってて、でも実際GUY君と広島の土砂災害が無くて会ったなら、『アコースティック不法集会』をやろうなんて言わなかったのが正直なところだと思う。

GUY:3.11っていうのはそのぐらい大事なことだと思う。ワシがアコースティックギターを持ったのもそれじゃし、みんなそれぞれがあると思うけど、ワシは3.11以降はA.Dと B.Cぐらいの違いがあると思うけぇ、どう表現しても入ってくると思うよね。集まったメンバーにそういう感じだって言わなくても。


TOSHI-LOW:そこまで思っていないノンポリの人たちは、そもそも乗ってこないだろうなって。GotchはASIAN KUNG-FU GENERATIONで、the LOW-ATUSのもう一人、細美武士(ELLEGARDEN、the HIATUS)も世代感は違うじゃないですか。上の世代から見たら何がパンクだよっていうのがあるかもしれないですけど、Gotchは『The Future Times』っていう新聞をつくって原発のことも訴えてたり、細美武士は祝島の原発反対集会に行ってたり。ちゃんとハートにレジスタンスな部分を持ってやってるやつがいるっていうのはありますね。凄いんですよ。皆コアな部分がしっかりしてて。

ーーこのアルバムの中の人は、元々アコースティックをやってた人が多いの?

TOSHI-LOW:SAのNAOKIは元々フォークソング部だったって言ってた。

ーー面子はどうやって選んだの?

GUY:ワシとTOSHI-LOWで半々ぐらいだね。

TOSHI-LOW:FUGU(FUGU & JAM)とか(小河原)良太(JIGHEAD)とか、要は今フォークでちゃんとやってる人たちを入れて欲しくて。

GUY:ミチロウさんは象徴的なもので決まり。必要でしょ。

TOSHI-LOW:開拓者。本当なんであんなにアコースティックを始めたことを否定したんだろうって(笑)。でも今はグッと来ますからね。

ーーそれは年齢を重ねたからってことはあるのかな?

TOSHI-LOW:全部あると思う。年齢もあるし、自分が歌い出してこの形でしか伝わらないものがあるなって。バンドってテレビ的な感じというか、観てる人数的にも多いからどこか分散してる感じがして。一人でやってる人たちのアコースティックを観てるとラジオ的っていうか、自分を語ってる感じがして。それを感じてから好きになっちゃって。みんなボーカルとしての声がまず楽器だし、それとギターを合わせるってこんなにふくよかなんだなって、改めて一人一人聴いて思いましたね。

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