高見沢俊彦、ソロと小説で広がる“表現への情熱”「振り子の大きさが創作意欲を刺激する」

高見沢俊彦、表現への情熱

“現役”にこだわってきたということが一番

ーーTHE ALFEEは今年45周年を迎えました。改めてどんなことをツアーで感じましたか。

Takamiy:45年というのは結果的なことであって、一年一年で区切って考えてきたら45年経っていたということなんですよ。今年の春のツアーが終わって、今は夏のイベントに集中しています。だから45年はあくまで僕たちがやってきたことなので、これから先のことのほうが大事ですね。ただ3人で休まずやってこれたということは、ファンの方にも、まわりの方にも感謝をしています。

ーー常に一年先を見据えて活動してきた。

Takamiy:やっぱり現役にこだわってきたということが一番かもしれないですね。現役感は大事ですから。おかげさまで「メリーアン」以降、新曲は常にベストテンに入っていますけど、それを目指していたわけではなくて、その時代時代にいい曲を歌っていこうという気持ちの中で結果的にそうなったということなんです。今やっていることは今結果が出ない。何事もそうじゃないですか。45年前にバンドを作らなかったら45周年を迎えることもなかった。あの頃、45年続くなんて考えていなかったですからね。でも結果的に振り返ってみれば45年という道のりがあったということは真摯に受け止めています。だから今やっていることも多分、また5年後、10年後に結果が出てくるのだと思いますね。僕のソロ活動も“FOR THE ALFEE精神”、THE ALFEEを長く続けるためのものなので、これからも続けていかないとなと思います。大変ですけどね。でもまわりのスタッフも大変ですよ。休みなくですから。そこは自分でも感じていますけどね。

ーー「薔薇と月と太陽」というド直球の楽曲で表現されたものもまた、THE ALFEEの作品にフィードバックされていくのかもしれませんね。

Takamiy:そうですね。ハードな楽曲でこれだけストリングスを加えてもうまくいったので、こういった要素はTHE ALFEE的プログレッシブロックにつながるものもあるかなと。それは次のアルバムで活かしていきたいと思いますね。ストリングスはTHE ALFEEの変拍子のサウンドにも合うかもしれないです。

ーーこれからもTHE ALFEEありきということは変わらず。

Takamiy:それは変わらないです。THE ALFEEあってこそのソロ活動ですから。ただ、小説家としてはちょっと違いますね。小説家としての活動は自分の創作意欲、曲を作る意欲への刺激になる。今回も『音叉』を書き終えたあとに「薔薇と月と太陽」を作りましたけど、歌詞を書くことが新鮮でしたよ。『音叉』は連載でだいたい1回100ページくらい書かないといけなかったので、それに比べると歌詞は短いじゃないんですか。この新鮮さってなんなんだろうと。

ーーまったく違うものですよね。

Takamiy:全然違いますね。脳の使う場所は一緒かもしれないけど、自分としては小説脳と歌詞脳、音楽脳は違うなと思います。そのことが発見できたのは自分にとっても発明でした。

ーー小説ではまた今後もいろんな時代についてお書きになるのかなと想像したのですが。

Takamiy:そうですね。今回とはまた違うものを書こうとしています。「薔薇と月と太陽」じゃないですけど、現代と過去をリンクさせるのも面白いなと思っているし、人間の生き方を小説にしていきたいですよね。音楽ももちろんやっていきますけど、いい相乗効果を生む気がしてるんですよ。『音叉』ができて、「薔薇と月と太陽」ができる。楽曲をつくってまた違う小説ができる。こういう振り子の大きさが創作意欲を刺激するというか、そこが自分の中の特殊な部分、特異な部分かなと思いはじめてますね。苦じゃないですからね、作ることが。

ーー一貫してそうですか? 生み出すことは楽しい?

Takamiy:そうですね。それに今は曲で煮詰まったら小説のほうで物語を考えてから歌詞を考えているし、そういったことがいったりきたりして、振り子の大きさがさらに大きくなった気がします。そこが自分の中での次へのステップなのかなと。まだ糸口しか掴めていないですが、そう感じますね。

ーーその流れが一つのサイクルになって、今後よりたくさんの作品が生み出されるのではないかと期待しています。

Takamiy:期待してください!

(取材=神谷弘一/構成=久蔵千恵)

薔薇と月と太陽~TheLegend of Versaillesプロモーション映像

■リリース情報
『薔薇と月と太陽~The Legend of Versailles』
7月25日(水)発売
【初回限定盤A】¥1,100+税
1 薔薇と月と太陽~The Legend of Versailles
2 恋愛Gigolo
3 霧に消えたロゼレア

【初回限定盤B】¥1,100+税
1 薔薇と月と太陽~The Legend of Versailles
2 恋愛Gigolo
3 哀愁トゥナイト

【初回限定盤C】¥1,100+税
1 薔薇と月と太陽~The Legend of Versailles
2 恋愛Gigolo
3 太陽はもう輝かない

【通常盤】¥1,000+税
1薔薇と月と太陽~The Legend of Versailles
2 恋愛Gigolo
3薔薇と月と太陽~The Legend of Versailles(Original Instrumental)
 
ユニバーサルミュージックストア

■ライブ情報
『Takamiy 2018 Metal of Renaissance』
9月1日(土)OPEN17:00/START18:00
9月2日(日)OPEN 16:00/START17:00
パシフィコ横浜国立大ホール
 
■書籍情報
髙見澤俊彦デビュー小説『音叉』文藝春秋刊 
【通常版】四六版上製
7月13日(金)
本体価格:¥1,700+ 税

【愛蔵版】四六版上製函入り/スペシャルブックレット
(髙見澤俊彦ロングインタビュー、撮り下ろし写真など収録)付き
2018年7月25日(水)
本体価格:¥7,200+ 税 ※数量限定生産

■THE ALFEEライブ情報
『THE ALFEE 45th Anniversary Summer Best Hit Alfee 2018 夏ノ巻 Château of The Alfee』
7月28日(土)横浜アリーナ
7月29日(日)横浜アリーナ

THE ALFEEオフィシャルHP
ユニバーサル ミュージック THE ALFEE オフィシャルHP
ユニバーサルミュージック高見沢俊彦オフィシャルHP

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる