リリスク himeが語り尽くす、Creepy Nutsの魅力「こんなに共感できるラップは初めてだった」

リリスク himeが語り尽くす、Creepy Nutsの魅力「こんなに共感できるラップは初めてだった」

Creepy Nutsって、実は誰よりも前向きだと思う

ーー ただ今回のインディー楽曲を聴くと、「なんて屈折したラッパーとDJだ……」と思うんですが。

hime:それがいいんじゃないですか!

ーー……すみません。

hime:例えば「どっち」みたいな内容って、Creepy Nutsじゃないと出てこない世界だし、Creepy Nutsだからできる曲だと思うんですよね。しかもこの曲って、細かく声色が変わって、超スキルフルだと思うんですよ。私も、最近はライブで「可愛いラップ」と「格好いいラップ」の両方ができるように頑張ってるんですけど、それは「どっち」をカラオケで練習して、その切り替えをCreepy Nutsから学んだお陰なんですよ(笑)。

ーーあのドンキ層とヴィレバン層を纏めてネタにする底意地の悪い曲が……。

hime:活きてるんだと思います(笑)。たまに無性にラップがしたくなる時があって、そういう時は、一人でカラオケに3時間とか4時間ぐらい籠もって、ひたすらラップするんですね。その時に「みんなちがって、みんないい」を入れて、あの曲でRさんがやる「色んなパターンのフロウ」を自分でめっちゃ真剣にチャレンジしてみるんですよね。メンヘラの女の子ラッパーの部分とかも超カバーします(笑)。だからラップの練習をするといえば、まずこの曲って感じですね。

ーー確かに「誰々っぽいフロー」の特徴をカリカチュアライズした曲だから、練習しやすいですね。しかし、一人でひたすらラップしたくなる時があるんですね。それはライブが無い時とか?

hime:いや、ライブの帰りでも全然ありますよ。「今日はちょっとダメだったな……」って日は「練習しなきゃ!」って一人でラップするし、「今日は上手くできた!」って日も、「この気持ちを忘れないように!」って一人でラップして(笑)。

ーー結局どんな時でもラップしたいんですね(笑)。

hime:ラップが好きなんです(笑)。

ーー痛いほど伝わりました(笑)。

hime:Rさんが何かのインタビューで、「ラップは奥が深いけど、敷居は低いから誰でもできる」って話してたんですね。その言葉は刺激になったし、「自分でもっとラップがしたい!」って思ったきっかけになったんですよね。その言葉を知るまでは、「リリスクで色んな方に作っていただいたラップができればいいな」と思ってたんですよね。素敵な曲ばっかりだから、満足していたし。でも、その言葉を聞いて「自分でもやっていいんだ! 自分でもやりたい!」と思ってやる気になったんです。でも、よく考えたら「待てよ、あんなに上手い人が言う“敷居が低い”は、普通の人にとっては敷居が高いんじゃないか……?」って。

ーーメッシがサッカーは簡単だって言うような感じで。

hime:そうそう。「気持ちは分かりますけど!」っていう(笑)。でもその言葉はずっと心に残ってて、この前も、フリースタイルの動画を自分でアップしてみたり、ラップにもっと前向きになりましたね。

ーーでは、Creepy Nutsでフェイバリットな曲は?

hime:変わらずにずっと好きなのが、「トレンチコートマフィア」ですね。

ーー怖いわ~(笑)。

hime:それから「刹那」。この前TS ONEで1カ月パーソナリティをさせていただいたんですけど、その時に3曲、自分のフェイバリットを挙げてくださいっていうお題があって。それで、2pac feat. Dr.Dreの「California Love」、SALUの「夜に失くす feat. ゆるふわギャング」、そしてCreepy Nutsの「刹那」を挙げたんですよね。

ーーその理由は?

hime:映画みたいな情景が浮かぶ曲ですよね。内容的もUMB(『ULTIMATE MC BATTLE』)で3連覇してるからこそ書ける曲だと思うし、あの曲でバトルの見方も変わりました。〈信用できるのは Skillだけらしい〉とか、Rさんが言うからこそ説得力があると思うし、他の人が言ってたら、聴き逃してたと思う。

ーーこの曲はhimeさんもステージに立つ側だからこそ、感情移入できる部分もあるのかなと思いますが。

hime:自分がステージに立つ時の気持ちと、ちょっと重なる部分もあると思いますね。それから「未来予想図」。『フリースタイルダンジョン』でこの曲のパフォーマンスを見た時は、超泣きました。聴いてるとホントに苦しいんですけど、最後はすごく前向きに締めるじゃないですか。Creepy Nutsって、足りないとか屈折とか、ネガティブな部分を出すんだけど、実は誰よりも前向きだと思うんですよね。

ーーネガティブだけで終わる曲は実は少ないですね。

hime:「シラフで酔狂」の〈前向きなネガティビスト〉っていう歌詞が、Creepy Nutsを象徴してると思うんですよね。「それそれ!」って思うし、私もそういうタイプなんです。ネガティブなんだけど前向きでいたいと思うし、最終的には前向きな部分を人にも見せたいと思ってます。

ーーでは好きなパンチラインは?

hime:無駄なリリックが一行もないんですよ!

ーーこれが“教祖誕生”の瞬間なんですね(笑)。

hime:だから選べないな~。高校生の時に、あんまり下ネタがわからなくて、「合法的トビ方ノススメ」を家で普通に大きい声で歌ってて、親に怒られました。外で絶対歌わないでねって(笑)。それから「爆ぜろ」の関西弁とか。「中学12年生」の〈レペゼン魔法のiらんど〉とかめっちゃ笑いました。「たりないふたり」のリリックは「本当に私だ」と思うから全部好き。「助演男優賞」はまずタイトルの付け方がすごいし、自分たちを客観視できるところが格好いいですよね。それにこの曲の〈いつかは主役の座を奪う〉ってリリックは、初期だったら出てきてないかもしれないけど、この時からそういう意識に変わったんだろうなって。そうやって、曲ごとにテーマやメッセージはブレずに一貫してるのに、トピックの幅広さが素晴らしいですよね。

ーーめっちゃ分析できてますね、しかも早口で(笑)。

hime:だから嫌いな曲はないですね(きっぱり)。

ーー歌詞の部分はRくんが担う部分が多いと思うんですが、では松永くんの魅力は? ライブDJとして、トラックメイカーとして、ターンテーブリストとしてなど、彼の動きも多岐に渡りますが。

hime:TOC & USU aka SQUEZの「真っ昼間 日本海Remix feat.DJ 松永」のスクラッチがホントに大好きですね。ライブDJとして、Rさんとのコンビネーションは本当に完璧だと思うし、「中学12年生」をライブバージョンではSEKAI NO OWARIをサンプリングに使うセンスとか本当にすごいと思う。ラジオやインタビューで見せるキャラも大好き。それに、Rさんの歌詞に一番フィットするのは、松永さんのトラックだと思うんですよね。だから、最高のコンビだと思います。

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