E-girls、11人体制ライブはどうなる? アルバム『E.G. 11』からセットリストを大胆予想
「11人体制に勢いをつけるライブにしなければいけないという気持ちがメンバー全員に強くあって、だからこそリハーサルでも活発にアイデアが出てくるのだと思います。一人ひとりの気持ちをすべて、このライブに詰め込むことができれば、きっとうまく行くと思っています」(参照:E-girls 鷲尾伶菜&藤井夏恋&武部柚那が語る、11人体制の強さとアリーナへの挑戦)
E-girlsのリードボーカルを務める鷲尾伶菜が、先日行ったインタビュー取材の中で、6月2日からスタートするツアー『E-girls LIVE TOUR 2018 ~E.G. 11~』に向けて語った言葉だ。鷲尾が言うように、新体制となったE-girlsにとって、次のツアーはその真価を問われるものとなるだろう。昨年7月、これまでリーダーシップを発揮してきたDreamが卒業し、E-girlsは新たに11人体制で歩み出すことになった。もちろん、人数が減ったからと言って、プロのアーティストとして、エンタテインメントの質を落とすことはできない。今の11人で、これまでに築き上げたE-girlsというブランドをさらに発展させるには、どうするべきかーー。
考えた末にメンバーが辿り着いた結論は、「これまで以上に、一人ひとりが個性を発揮する」というものだった。5月23日にリリースされたアルバムには、その意思を反映するように『E.G. 11』とのタイトルが冠せられた。バラエティ豊かな楽曲群への挑戦は、メンバーたちの決意の表れでもある。
本稿では、『E.G. 11』の収録曲についてレビューしながら、『E-girls LIVE TOUR 2018 ~E.G. 11~』がどんなライブになるのか、想像を巡らせてみたい。
セットリストを予想!
『E.G. 11』の収録曲で、まず驚かせられるのは、リード曲「Show Time」の仕上がりだ。現在、世界的に流行しているラテンミュージックのテイストを取り入れた“ダンス曲”という触れ込みで、メンバー曰く「E-girls史上もっとも激しく踊っている」とのこと。実際、MVでは、小柄な体型ながら、躍動感とキレのあるダンスでE-girlsのパフォーマンスをリードするYURINOとSAYAKAを軸に、妖艶かつ大胆なコレオグラフを展開している。「Follow Me」や「DANCE WITH ME NOW!」など、これまでのダンス曲に比べるとBPMが110前後まで抑えられているのが特徴で、その分、ビートに重みがあり、ヒップホップ的なグルーヴも感じることができる。さらに、歌唱のメインが藤井夏恋と武部柚那のラップとなっているのも大きなポイントだ。新生E-girlsでのラップパートは、これまで主に藤井夏恋が担ってきたが、本作では武部柚那がスモーキーな歌声のラップを存分に聴かせてくれるのが嬉しい。サウンド面でも一新したE-girlsを印象付ける一曲で、「Show Time」というタイトルも含めて、ライブの一曲目を飾るのにふさわしいと言えるのではないだろうか。ここから、「Love ☆ Queen」や「北風と太陽」など、新生E-girlsのフレッシュなダンス曲を続けて披露されたら、観客は間違いなくロックされるだろう。
前半戦ではさらに、クールなE-girlsを楽しめる選曲を。例えば、映画『トゥームレイダー ファースト・ミッション』の日本版主題歌として書き下ろされた「DYNAMITE GIRL」などは、エレキギターのサウンドをたっぷりと効かせたミッドグルーヴの渋い楽曲なので、ハイテンションなパフォーマンスが続いた後に披露されると、そのしなやかさがグッと際立つはずだ。緊張感のある展開が聴きどころの「Pain, pain」や、ユニークな歌詞とサウンドメイクにグッドバイブスを感じられる「LOVE」、日本のダンスミュージック界の巨匠・T.Kura/michicoコンビによる“タメ”のあるビートが絶妙な新曲「Keep on」など、遊びの効いた楽曲は、新生E-girlsの高い表現力を示す意味でも、鑑賞のしがいがある。
エッジーな楽曲が続いた後は、そのままスダンナユズユリーが登場してはくれないだろうか。ガチャガチャ感が楽しい「OH BOY」や、三人のポップなストリートセンスが散りばめられた「CALL ME NOW」などは、会場を大きく揺らすはずである。武部柚那だけではなく、YURINOとスダンナ(須田アンナ)のラップがどんな風に進化したのかも楽しみだ。
中盤では、かつてのE-girlsの楽曲を新たなアレンジで聴かせて欲しい。代表曲の「Follow Me」はもちろんだが、個人的には「One Two Three」や「Mr.Snowman」など、泣かせのメロディラインを聴かせる楽曲を、大人のアプローチで歌ってもらいたいものだ。
そのままの流れで、これも新生E-girlsならではの試みであるバラードタイムの幕開けである。鷲尾伶菜の繊細な歌唱を活かした「ひとひら」で会場の雰囲気をガラリと変えて、そこから、人を好きになることの尊さを叙情たっぷりに歌い上げる「あいしてると言ってよかった」へと続く流れで、会場は涙に包まれる。E-girlsがバラード曲に挑戦することを発表した際、中には戸惑いを覚えたファンもいるだろう。だが、ここでその意図ははっきりとするはずだ。11人体制のE-girlsのライブに、「あいしてると言ってよかった」は必要な楽曲だったのだと。