くるり岸田、川谷絵音らも絶賛 15歳の天才シンガーソングライター 崎山蒼志がもたらした衝撃
5月9日に放送されたAbemaTV『日村がゆく 〜第3回高校生フォークソングGP〜』で、弱冠15歳のシンガーソングライター・崎山蒼志が見せたパフォーマンスが、大きな話題になっている。
崎山は現在高校1年生になったばかりで、静岡県浜松市を中心に、KIDS Aという3人組バンドのギターボーカルとしても活動中の青年。V系好きの母から影響を受け、4歳でthe GazettEの演奏に惹かれてギターを始めたという経歴の持ち主だ。
と、ここまで書くと単純に“凄腕ギタリスト少年”のように見えるが、崎山の凄さはそれだけではない。テクニックはもちろんのこと、シンガーソングライターとしての作詞・作曲能力が、ハッキリと理解できるレベルで頭一つ抜きん出ていることが、放送の様子を見るだけで伝わってくる。
動画内では、審査員を務める日村勇紀(バナナマン)、澤部渡(スカート)、サイトウ "JxJx" ジュン(YOUR SONG IS GOOD)が、一見してナヨっとしたように見える崎山のことをイジるものの、小学校6年生のときに作曲を始め、現在まで約300曲のオリジナル曲を制作していることや、上述したギター歴などを聞いて次第に表情が変わり、曲が進むにつれてその凄さに驚愕するところまでが詳細に見て取れる。
この日披露した「〜samidare〜 五月雨」は、彼が中学校1年生のときに制作した楽曲。異質なコード進行と譜割りにも関わらず、どこかキャッチーでクセになる歌メロの運び方や、幼い少年が書いたとはとても思えない、叙情的でフェティッシュな描写が絶妙な歌詞の言葉選びが、彼の非凡さをより引き立てる。
それ以外でも、KIDS A(Radiohead『KID A』のオマージュだろう)名義での楽曲「潜水」を聴くこともオススメする。こちらは3ピースバンドとしてのシンプルなサウンドながら、やはりコードと歌メロの異質さが伝わってくるし、終盤に訪れるパンク風のアレンジやローファイな音作りは、もう1曲Sound Cloudにアップされている「午後、暗幕」にも共通しており、これらの楽曲にどこかNUMBER GIRLの面影を感じるのは筆者だけだろうか。
この才能がSNSで拡散されるや否や、岸田繁(くるり)や川谷絵音(indigo la End/ゲスの極み乙女。/ジェニーハイ/ichikoro)、GEN(04 Limited Sazabys)も絶賛するなど、ミュージシャンを中心に、音楽業界へその名をあっという間に轟かせた崎山。どのような形で、彼の名前はさらに世の中へ出てくることになるのか、期待して待ちたい。
(文=向原康太)