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10周年&梅津卒業ワンマン『サンキュー梅ックス』ライブレポート

忘れらんねえよはすべてを乗り越え、前に進み続ける 現体制ラストライブを見て

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 忘れらんねえよは、“ロックバンドであること”に大きな夢を描いてきたバンドなのだろう。

 だからこそ、2015年のドラム脱退に続いて、ベースの梅津拓也もバンドを離れるというニュースは衝撃的だった。

 5月1日に東京・Zepp Tokyoにて行われたワンマンライブ『サンキュー梅ックス』。梅津のラストライブであると同時に結成10周年を記念して行われた同公演は、全編がハイライトといっても過言ではない、忘れらんねえよらしい名演だった。

 恒例の[Alexandros]の「ワタリドリ」にあわせて柴田が登場するオープニングでスタートし、その後、サポートメンバーのマシータ(Dr)、タナカヒロキ(Gt/LEGO BIG MORL)、そして梅津もステージに登場。1曲目は「ゾンビブルース」だ。柴田は最後の<さよなら 君がいれば 全ては輝くぜ>と歌う部分を、<さよなら 君がいたから 全ては輝いたぜ>と歌詞を変えて歌った。このフレーズは、間違いなく10年をともにした梅津に向けた言葉だった。

 「僕らチェンジワールド」では、フロアから早速合唱が起こり、「梅津くんと最初に作った曲です」(柴田)と紹介して始まったのは「ドストエフスキーを読んだと嘘をついた」。結成から10年、30代直前にメジャーデビューし、その後コンスタントに作品をリリース、ツアーも行い最近では夏フェスの常連になるなど、バンドとして多くの経験を重ねた年月だったはず。それでも、Zepp Tokyoのステージで鳴らされたこの曲は、バンドを始めたばかりの頃のような瑞々しさがあった。

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 この日は、盟友・おとぎ話の有馬和樹と牛尾健太もゲストとして登場した。出会ってからのことを回顧したトークを挟み、披露されたのは「俺たちの日々」。<世界変えんのは優等生じゃない/見下されてコケにされたやつだ>という言葉が切実に響く。柴田の書く歌詞は、卑屈なところもあるが、完全には自分を捨てきれていない。どこかで、自分や自分の鳴らす音楽のことを必ず信じている。だからこそ、聴く人を突き動かす力を持っているのだ。

 続いて、ステージに現れたのは、サポートで2年間ギターを弾いていた爆弾ジョニーのロマンチック☆安田。ギターの純朴な音色とともに始まった「うつくしいひと」は、忘れらんねえよのセンチメンタルな側面が全開になっていた。

 また、この日はチャットモンチーの「ハナノユメ」のカバーも披露された。チャットモンチーの大ファンであることを公言している柴田は、この曲をきっかけにバンドを組むに至ったという。

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 中盤以降のMCで、柴田は「今日で梅津が最後な気がしなくなってきた。楽しい」「始まる前は泣くかと思ってたけど、今すごい楽しい。こんな気持ちは初めて」などと、その時々の思いを素直に口にしていた。思いが溢れ暴走しがちな柴田と、それに冷静につっこみながらフォローしていく梅津。2人はコンビとしても絶妙だったように思う。この日のステージに立つのに、柴田と梅津、そしてサポートの2人は、簡単には割り切れない様々な思いを抱えていたことだろう。それでも、特に後半は何かが吹っ切れたように、一瞬一瞬に出す音だけに集中し、この日を楽しんでいるように思えた。柴田は「みんなのこと、引っ張っていける気がする」と言い、このライブ中に、何か自分にとって大切なものを見つけたようだった。

      

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