荻原梓のチャート一刀両断!
ヒットシングルは“バラエティ豊かな収録曲”がキーに KAT-TUNら並ぶ最新チャートから考察
バラエティ豊かな収録曲がカギ?
一方、2位のラストアイドル『君のAchoo!』も表題含め全6曲が用意されたシングルを発売している。みずみずしいピアノが印象的な「君のAchoo!」から、爽やかなEDM「風よ吹け!」、ミュージカル調の「スリル」など音楽性の幅は広い。歌唱担当もそれぞれ異なるユニットなので、楽曲からも“推し”を選べる作りだ。
続く3位のJuice=JuiceはトリプルA面のシングル。毎回ハロー!プロジェクトの関連作からは楽曲制作に注ぐ意欲の強さを受け取れるが、今作もそれは健在。つんく♂作詞作曲の「SEXY SEXY」は海外EDM系プロデューサーを彷彿とさせるサウンドで、LDN Noiseあたりを引き合いに出したくなる洗練された音作り。バラードの「泣いていいよ」やポップでダンサブルな「Vivid Midnight」も見逃せない。
以上のように今週のチャート結果は、表題1曲だけがメインではないバラエティ豊かなパッケージが上位に名を連ねている。消費者が自分好みの商品を選びたい時代。もはやシングルだとしても、“1曲や2曲で勝負する時代は終わった”のかもしれない。
■荻原 梓
88年生まれ。都内でCDを売りながら『クイック・ジャパン』などに記事を寄稿。
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