NGT48 荻野由佳&小熊倫実&本間日陽が語る、3rdシングルでの挑戦と“きたりえイズムの継承”

NGT荻野&小熊&本間が語る“継承”

「自分から行動することの大切さについて考えさせられる歌詞」(本間)

ーーこの曲を最初に聴いたときはどう感じましたか?

本間:イントロがある! って。イントロがある曲はNGT48のシングル表題曲では初めてだったので。

ーー確かにそうですね。

荻野:だから、今までは歌い出しが難しくて大変だったんですよ。だけど、この曲はイントロがあるんです!

本間:イントロがあるのが不思議な気がして。

ーーそもそもイントロがある曲のほうが一般的な気がしますが(笑)。

本間:最初はその印象が強かったんですけど(笑)、歌詞とメロディがすごく春っぽくて、聴いているだけでワクワクするような。疾走感もあってNGT48らしい爽やかさも詰まっていて、この曲が自分のセンター曲なんだって思うと、ドキドキしたしワクワクしました。私、この曲のメロディがは本当に大好きなんです。

ーー低音と高音の落差が激しくて、歌うのが難しそうですが?

3人:あー。

荻野:低音はつぐつぐ(小熊)がすごく上手なんですよ。レコーディングのときも上手だからびっくりしちゃった。

小熊:えー、嬉しい。この曲はAメロとか最初のほうはすごく音程が低いんですけど、サビからどんどん上がっていって、より明るくなる感じがすごく好きです。

ーー春が近づく感じを、音階が高くなっていく流れで表現しているようにも感じられますし。

本間:そうですね。イントロからすごくワクワクしますし。

ーー歌詞にも印象的なフレーズが多いですよね。

荻野:全部良いんですよね、今回の歌詞。中でも<迎えに行って僕が連れて来ようか>というフレーズは、考えれば考えるほど深いんですよ。この曲で里英さんが卒業されて、ドラフト3期生や2期生も入ってきて、NGT48の第2章が始まると私たちの中では思っていて。そんなタイミングに<迎えに行って僕が連れて来ようか>というフレーズを目にすると、この曲が私たちをいろんなところに連れていってくれるんだって思いますし、すごくワクワクするんです。たとえこの先NGT48の体制が変わってしまったとしても、この曲とともにいろんなところに行って、NGT48の新しい魅力を出していけたらいいなと思いましたね。

ーー小熊さんと本間さんは、お気に入りのフレーズはありますか?

小熊:私はDメロから最後のサビにかけてがすごく好きなんですけど、特に<制服の肩に 桜の花びらが乗っていたんだ>の部分がすごく好きで。この部分に青春とか恋心とかを一番感じると思うんです。

本間:私は全部好き……と言いたいところなんですけど、歌い出しの<風が止んでしまった日は なぜかは知りたくなるんだ 僕がどこかへ走らなきゃ 地球が回らなくなるよ>って歌詞は特に好きですね。今はNGT48自体が変わらないといけない時期、変わっていく時期ということもあって、その中で自分には何ができるのかなと考えたときに、この歌詞にすごく背中を押されるんです。自分から何かをしないと何も生み出すことはできないですし、自分から行動することの大切さについてすごく考えさせられる歌詞だなと思っています。

「アイドルMVの既成概念を変えてくれた作品」(荻野)

〈期間限定〉 NGT48 3rdシングル「春はどこから来るのか?」MUSIC VIDEO Full ver. / NGT48[公式]

ーー歌詞同様に、本間さんはこの曲MVでひたすら走ってましたが。

本間:はい。もう、新潟の冬=走るってイメージが付いちゃいましたよね(笑)。

荻野:ね(笑)。(撮影は)2月の頭ぐらいで。

本間:「春はどこから来るのか?」って、こっちから聞きたいぐらいでしたよ(笑)。

荻野:あの時期は、まだ来る気配がなかったからなあ。

小熊:とにかく寒かった……(苦笑)。

本間:撮影中、ゆきりん(柏木由紀)さんがインナーを5枚も着込んでいたんですよ(笑)。それぐらい寒くて。

ーー全員でのパフォーマンスシーンも、吹雪いてますからね。

荻野:あのシーンは、靴にスパイクを付けて歌ってたんですよ。それでもすごい雪なので、踊っているとスパイクが取れちゃって、そのへんにスパイクが転がりながらもみんな表情を変えずに一生懸命踊ってました(笑)。

本間:ほかのグループは、衣装にスパイクを付けないから(笑)。

小熊:NGT48ならではですよね(笑)。それに、衣装さんが新潟が寒いからって、この制服のジャケットの中にポケットを何個か作って、腕と背中の部分にカイロを入れられるようにしてくださったんです。

荻野:愛情たっぷりの衣装ですよね。

ーーそのMVの監督を務めたのが、映画『全員死刑』などで知られる小林勇貴さんという。NGT48にとって意外な組み合わせでした。

荻野:撮っている映画もすごい感じじゃないですか。正直「どうなるんだろう?」と思っていたんですけど、良い意味でアイドルMVの既成概念を変えてくれた作品だと思います。

本間:小林監督のファンの方は、これを小林監督が撮ったとは思えないとか、意外な意味での捉え方をしている方が多いんじゃないかなと思うんですけど、NGT48のファンの方にとってもこういうMVが今まで私たちになかったので、お互いにとって新しいものを見ている感覚だと思うんです。新しいものと新しいものの融合ってこういうことなんだと、今回の撮影を通じて感じました。

「いろんな方に気を配れる里英さんにすごく憧れていた」(小熊)

ーーMVでは冒頭に「継承」という文字が大きく表示されますが、今のNGT48にとって新しいことに挑戦することと同じくらい、“次につないでいくこと”も非常に重要なことなんじゃないでしょうか?

本間:そうですね。新しいものを見せていくというのもすごくNGT48らしくて良いなと思いますけど、今回は里英さんが参加するラストシングルなので、そういった意味でも里英さんの“北原イズム”といいますか、1期生の現時点での集大成だと思うんです。ここまで私たちがアイドルとしてやってきたすべてが詰まっているなと思いますし、今見せられるNGT48の最高の形がCDに詰まっていると思うので、自信を持って世の中に送り出したいなと思っています。

ーー“NGT48らしさ”というのをみんなで一緒に作ってきたものではあると思うんですけど、皆さんは北原さんからどういうものを受け取ったと思いますか?

荻野:里英さんはすごい大先輩なのに、私たちと同じ目線で、同じNGT48の1期生として私たちに寄り添って歩いてくれていたので、本当に自由にしていいよって感じでした。キャプテンだけど縛りつけもせず、上からガミガミ言うこともなくて。メンバー全員が伸び伸びと活動できていたからこそ、今はそれぞれいろんなキャラが確立できたんだなとも思いますし。そういった部分では、私たちも後輩には同じNGT48の仲間として一緒に活動していきたいです。

小熊:個人的なことなんですけど、里英さんがお洋服のブランドの展示会に行ったときに、熊のカバンを見つけたらしくて。私とお揃いで買ってきて、プレゼントしてくださったんです。そうやって、ちゃんと私のことも見てくださっていて、考えてくださっていて、いろんな方に気を配れる里英さんにすごく憧れていたので、私もたくさん周りに気を配れるような存在になりたいなと思います。

本間:里英さんが卒業するタイミングに、私たちにとって初めての後輩が増えるということで、「先輩になることってどういうことなんだろう?」って考える時間が増えたんですけど、そうなったときに、やっぱり里英さんみたいな先輩になりたいなって答えに行き着いたんです。以前、メンバー同士で意見がぶつかって悩んだときに里英さんに相談したんですけど、そこで自分では気付けなかったことを話してくださって。いろんな角度から物事を見る力が本当に里英さんはすごくて、そこが自分はまだまだ足りないなと実感したので、後輩のことも同期メンバーのことも、いろいろな角度から物事を見られるようになりたいなって思いました。

ーーそれがそのまま継承という形で、どんどん後輩に受け継がれていき、最終的に“NGT48イズム”というものになっていくのかもしれませんね。

本間:そうですね。里英さんがいなくなって後輩が一気に増えたら、今とは違うNGT48になるんだろうなと思っているんですけど、それでも1期生のみんなには里英さんと一緒に過ごした時間があるので、ここから先も里英さんの意志は消えることはないと思います。

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