NGT48、『リクアワ』でAKB48グループ史上稀にみる快挙 順位と活動からその要因を紐解く
NGT48が、1月20日に開催された『リクエストアワー セットリストベスト100 2018』で、再び快挙を成し遂げた。
昨年6月開催の『AKB48 49thシングル選抜総選挙』では、5位の荻野由佳を筆頭に、選抜メンバーに北原里英と本間日陽、80位までには10名をランクインさせるなど、2016年開票結果の3名から大きく人数を増やし、NGT48の勢いを示してみせた。その総選挙から約半年が過ぎ、勢いが衰えるどころか、熱狂的な人気を獲得していくグループの今を見せつけたのが、リクアワでの「『世界はどこまで青空なのか?』の1位獲得」「NGT48全楽曲ランクイン」という2大トピックだ。
リクアワは、ファンの投票によって、AKB48グループの楽曲人気ランキングを発表していく毎年恒例のコンサートイベント。2008年よりスタートした11年目の対象楽曲は1078曲にものぼる。リクアワの一つの特徴は、ランキングがそのままAKB48グループの情勢を表していること。初年度、1位に選ばれたのは当時リリースされたばかりのAKB48シングル曲「桜の花びらたち」だった。2013年には旧チーム4の「走れ!ペンギン」、2014年はチーム4初めてのオリジナル曲「清純フィロソフィー」、2016年にはすでに卒業を発表していた宮澤佐江を含めたユニット曲「奇跡は間に合わない」が1位を獲得しており、その年最もファンから支持されているグループ、チーム、ユニット、メンバーにファンが票を投じる傾向が強いのがリクアワというイベントだ。
リクアワは、4公演に渡り、100曲を25位ずつ下位より発表していく。SNSがざわつき始めたのは、2公演目終演後のことだった。75位から51位までの中で、NGT48の楽曲は10曲ランクイン。そして、86位には48グループでお馴染みのオープニングSE「overture」のNGT48バージョンが入るという異例の事態に。蓋を開ければ、リミックスとインストゥルメンタルを除いたNGT48の投票対象全27曲がランクインするという快挙を成し遂げていた。
そして、リクアワで最も盛り上がる瞬間は、2位の発表である。今回、筆者もその時を映画館でのライブビューイングで見届けていた。満員となったTOHOシネマズ新宿、7番スクリーン。会場と比べて、あまり声の出しづらいライブビューイングにおいても、2位にチーム8「47の素敵な街へ」が発表され、NGT48「世界はどこまで青空なのか?」の1位が確定した瞬間は、場内が大きくどよめいていた。NGT48とチーム8の1位争奪戦は、昨年に続き2度目。涙を飲んだチーム8がリベンジを果たすのか、NGT48が連覇して見せるのか注目されていた。
昨年の「Maxとき315号」での1位は、AKB48の姉妹グループとしては初めてのことだった。NGT48はそれをグループの最新シングル曲「世界はどこまで青空なのか?」に変え、再び首位を獲得して見せた。振り返れば、昨年4月に中井りかをセンターとしたメジャーデビューシングル『青春時計』をリリースし、2ndシングル曲「世界はどこまで青空なのか?」では、総選挙で速報1位、開票5位に選ばれた荻野をセンターに据え、夢と現実、青春とアイドルを対比させ、悩みを抱えた少女の背中を押すような楽曲へと昇華させていった。昨年に続き「Maxとき315号」が1位になるでもなく、自然と「世界はどこまで青空なのか?」に票がシフトしていったのは、最新のNGT48に最も支持が集まった表れだろう。感極まって出だしは震えた声を出していた荻野も、終了後は「みんなで歌えることを幸せに思います」と研究生を含めた24人全員での特別パフォーマンスに晴れ晴れとした表情を見せていた。