中島美嘉、『ダリフラ』主題歌で見せた“二面性” 13年ぶりのHYDEとのタッグから紐解く

中島美嘉『ダリフラ』主題歌で見せた二面性

 この曲のアートワークは、「楽曲とアニメ両方の世界観を表現したい」という中島本人の思いから実現したそうで、「強さの中にある儚さ、孤独」が描き出されている。これは、中島が映画『NANA』で、原作漫画から飛び出したかのような大崎ナナを演じていたこととも共通しているだろう。『NANA』においても、着る人を相当選ぶであろう、ヴィヴィアンのラブジャケットをさらりと着こなしていた中島は、本作でも、飄々としつつも強烈な個性を放つ少女・ゼロツーの三次元的存在として君臨している。

中島美嘉 『KISS OF DEATH(Produced by HYDE)』Music Video&Making

 また、ナナとゼロツーにも少なからず類似点が感じられる。おそらく両者とも、傍から見れば「自立した強い女性」に映るのだろうが、それぞれ“弱さ”も抱えているのだ。人気バンドのボーカリストとして、ファッションや趣味趣向もかなり“強め”だが、非常に儚く繊細な心を持ち合わせているナナ。ゼロツーも、エリートパイロットとして周囲から疎まれるほどの才覚を放つが、その特殊な適性から「パートナー殺し」となってしまい、人知れず孤独に苛まれている。

 本作では、〈ボクを怖がらないで〉という弱気な歌詞を力強く歌い上げている中島。勝気な女性が持つ二面性を、今回も非常にうまく体現している。そして、ビジュアル的な意味でも、彼女が持つダークで妖艶な雰囲気が、アニメの世界観にガッチリと重なっている。ダリフラファン、特にゼロツーファンで、「KISS OF DEATH」MV未視聴の方は、“実写版ゼロツー”ともいえる彼女の姿をぜひ目の当たりにしてほしい。

■まにょ
ライター(元ミュージシャン)。1989年、東京生まれ。早大文学部美術史コース卒。インストガールズバンド「虚弱。」でドラムを担当し、2012年には1stアルバムで全国デビュー。現在はカルチャー系ライターとして、各所で執筆中。好物はガンアクションアニメ。Twitter

■リリース情報
中島美嘉 シングル『KISS OF DEATH(Produced by HYDE)』
発売日:3月7日(水)
価格:【通常盤】1,165円+税
【アニメ盤】1,600円+税/CD+DVD
【初回盤】1,500円+税/CD+DVD

<収録内容>
【アニメ盤】
Disc1/CD
1.KISS OF DEATH(Produced by HYDE)
2.GLAMOROUS SKY(Re:Present 2018)
3.KISS OF DEATH(TV size)
4.KISS OF DEATH -instrumental-

Disc2/DVD
DVD 『ダーリン・イン・ザ・フランキス』OP映像
中島美嘉/『KISS OF DEATH(Produced by HYDE)』DVD

【初回盤】
Disc1/CD
1.KISS OF DEATH(Produced by HYDE)
2.GLAMOROUS SKY(Re:Present 2018)
3.KISS OF DEATH -instrumental-
4.GLAMOROUS SKY -instrumental-

Disc2/DVD
『KISS OF DEATH』MUSIC VIDEO

【通常盤】
1.KISS OF DEATH(Produced by HYDE)
2.GLAMOROUS SKY(Re:Present 2018)
3.KISS OF DEATH -instrumental-
4.GLAMOROUS SKY -instrumental-

■アニメ情報
TVアニメ『ダーリン・イン・ザ・フランキス』
毎週土曜23:30~、TOKYO MXほかにて放送
(c)ダーリン・イン・ザ・フランキス製作委員会

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