V6 岡田准一、嵐 二宮和也……ジャニーズが輩出する「日本アカデミー賞」に輝く屈指の俳優たち

役にもがく、本木雅弘

 「私は物事を深く考えているように思われがちだけど、ほとんどそんなことはなくて……」そう話す本木は、追い込みの岡田、受けの二宮に対して、もがき続けていくスタイル。シブがき隊を解散した、翌年に『ファンシイダンス』で修行僧を演じるために剃髪した、潔さも話題になった。『シコふんじゃった。』のコミカルな演技から、『双生児 GEMINI』では眉を剃り落として不気味な演技まで、その作品ごとに異なる顔を見せてくれる。だが、不思議なことにキャリアを積むほどに謙虚さを増していく。「演じるなかで、本木のあそこは違うとお叱りを受けるんじゃないかと心配で、今も唇が震えます」とは『日本のいちばん長い日』での完成披露試写会でのコメント(参照:シネマズ)。岡田同様に徹底した調査で役作りを行ないながら、二宮のように監督のコマであろうとする本木だが、いつもそこに迷いが生じるようだ。『永い言い訳』でも「正直に言うと、自分の解釈に従って演じたくなることもありますが、自分は監督のコマだからとその葛藤は静かに収めます」(参照:リアルサウンド映画部)と話していたが、そのぐらつきこそ、本木の演じる役柄に人間味が吹き込まれているようだ。役と自分自身の解離が一切なく自分事のように演技じられる俳優に嫉妬までするという本木。「もしも、いつか自分にもその瞬間が訪れた時は、この一本さえ撮れればよかったんだと、役者を引退するかもしれませんね」観客として、そんな本木の模索をずっと楽しんでいたい。

 3者3様のジャニーズから生まれたアカデミー賞俳優たち。共通しているのは、役を理解する反射神経の良さ、そして助言を受け入れる素直さかもしれない。新人俳優賞を受賞したHey! Say! JUMP山田涼介をはじめ、今後もさらなる才能が開花されていきそうだ。

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