Base Ball Bearは今、バンドにとっての“青春”を迎えている 弓木英梨乃迎えたツアー最終日を観て

ベボベが迎えたバンドにとっての“青春”

 Base Ball Bearにはぶれない“軸”があるーー2月9日にZEPP TOKYOにて開催された、『Base Ball Bear Tour「光源」追加公演』はそれをはっきりと示した公演であった。

 同ライブは、KIRINJI・弓木英梨乃をサポートギターに迎えたツアーの最終公演。また、5月から行われる『Base Ball Bear Tour 「LIVE IN LIVE」』はメンバー3人で回るとあり、弓木とのパフォーマンスはこの日で一旦見納めとなった。

 3人体制となってから初めてのアルバム『光源』は、8曲というコンパクトな作品ながら、彼らの“今”が凝縮されていた。そして9月30日に行われた『日比谷ノンフィクションⅥ~光源~』では、ライブにおいて“ギターロックバンド”というフォーマットを貫いてきた彼らが、鍵盤やブラスを取り入れるという新境地に踏み出したのだった。

小出祐介(Vo / Gt)

 それから約4カ月後に開催された本公演。弓木を迎え、4人によってパフォーマンスされた『光源』収録曲の数々から、メンバーそれぞれの表現力の豊かさを改めて感じることとなった。歌うようにグルーヴし、一段と色気を増す関根史織(Ba / Cho)のベース。「Low way」ではどこか寂しげな楽曲の雰囲気を守りながらも、しっかりと存在感を見せつけた。

関根史織(Ba / Cho)

 また一見して落ち着いたバンドにたくましさを加えているのは、「逆バタフライ・エフェクト」などに象徴される堀之内大介(Dr)の力強いドラムだろう。そして小出祐介(Vo / Gt)が丁寧に、観客の心に響かせるように弾くギター。もちろん、ボーカリストとしても大きく進化していた。弾き語りで歌った「Transfer Girl」ではバンドセットとは異なる、切ない歌声も聴くことができた。

堀之内大介(Dr)

 また、ライブ中印象的だったのは関根と弓木がボーカルを務めた「恋する感覚」。ここでは小出はギターを弾き、二人を“魅せる”ことに徹していた。バンドのフロントマンとしての活動以外にも楽曲提供などを行う小出の一面も垣間見せながら、Base Ball Bearの楽曲の軸を感じるパフォーマンスとなっていた。

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