温泉むすめ SPRiNGS、2ndライブで示した“70億分の9の奇跡” 現体制ラストステージをレポート

温泉むすめ SPRiNGS 2ndライブレポ

 クロスメディアプロジェクト・温泉むすめ内の9人組ユニット、SPRiNGSのライブ『温泉むすめ SPRiNGS 2nd LIVE“NOW ON☆SENSATION!! Vol.2” ~聖夜にワッチョイナ!!~』。12月24日になかのZERO 大ホールで開催された同イベントは、まさに「70億分の9の奇跡」という言葉を体現したステージとなった。

 SPRiNGSにとっては二度目、そして9人全員が揃ったかたちで行われた最初の本格的なライブ。同時に、下呂美月役の遠藤ゆりかが温泉むすめ・SPRiNGSのメンバーとして表舞台に立つことは今回が最後となったため、ファンにとってもメンバーにとってもひときわ思い入れのある公演だったと言えるだろう。

 赤と黒を基調とした和風の衣装で登場した9人。クリスマスイブを意識したかのような赤と緑の照明とともに、「純情-SAKURA-」では全国各地の温泉をキャラクター化した温泉むすめの存在感を示すかのような、“お風呂”を思わせる振り付けが印象的だった。続く「Ambition」含めクールな一面が強調された楽曲で幕を開け、真冬の会場は熱気を増していく。

温泉むすめ アニメーションPV第二弾 「純情-SAKURA-」

 SPRiNGS内にはさらにしゃんぷーはっと(秋保那菜子(CV:高橋花林)、登別綾瀬(CV:日岡なつみ)、下呂美月(CV:遠藤ゆりか))、雪月花(箱根彩耶(CV:長江里加)、有馬輪花(CV:本宮佳奈)、奏・バーデン・由布院(CV:和多田美咲))、SPicA(草津結衣奈(CV:高田憂希)、道後泉海(CV:篠田みなみ)、有馬楓花(CV:桑原由気))という3つのユニットが存在する。各ユニット曲はそれぞれのキャラクターの個性を強く表現した楽曲となっており、声優陣のボーカルもより深く味わうことができる。

 この日最初にステージでユニット曲を披露したのは雪月花の3人だった。深く落ち着いた長江のボーカル、堂々と切実な歌声を披露する本宮、可愛らしくも芯の強い和多田の歌声。「SILENT VOICES」で3人が踊る姿からもキャラクターと重なる部分を感じた。もちろんライブ中盤に挟まれたミニドラマではキャラクター、そして声の魅力を遺憾なく発揮していた9人だが、そうした個性はライブパフォーマンスにおいてもしっかりと打ち出され、観客を魅了していたように思う。

 パステルカラーの“アイドル衣装”に着替えて登場した9人は、一転して手拍子と軽やかなステップとともに「粉雪フレンズ」、緑色のペンライトが映える「おんくり」(命名した篠田曰く「温泉クリスマス」を略したもの、とのこと)と冬ならではの楽曲をパフォーマンス。先ほどまでの真剣な面持ちとは異なる楽しげな表情で、クルクルとフォーメーションを変えていく彼女たちの姿に引き込まれていった。

【試聴動画】粉雪フレンズ(温泉むすめ 1stミニアルバム「ユノハナプロローグ」収録曲)

 ミニドラマを終えると“ゆりしー”こと遠藤が所属するユニット・しゃんぷーはっとによる「ロマンスの林檎」へ。王道のアイドルらしいポップなメロディに、キャラクターらしいセリフめいた歌詞が乗せられ、まるでミュージカルを見ているかのようだった。実は彼女たちが3人揃って同楽曲を披露するのはこれが初めて。キャラクターが乗り移ったかのような生き生きとした3人の表情に感慨深い思いを抱いた。続いてSPicAの3人が満開の笑顔で「おはようジャポニカ!」を歌唱すると、温泉むすめプロジェクト開始から9カ月間の軌跡を振り返る映像が映された。温泉地を回ったり、初めて9人が揃った神戸でのイベントで涙を流すメンバーの姿に、彼女たちの成長を感じずにはいられなかった。

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