M!LKが、結成3周年アニバーサリーライブで見せた“覚悟”と5人の“強さ”

M!LKの“覚悟”と5人の“強さ”

 BLACK M!LKがステージを去ったあと、スクリーンではM!LKのCDデビューからのヒストリーがダイジェストで映し出される。先ほど色気すら感じさせるソロを見せた太智のデビュー当時の童顔っぷりなどに客席から笑いもこぼれていたが、この3年の彼らの成長ぶりが感慨深く思える内容だった。白のブレザーに着替えた5人が情熱的に歌い踊る最新シングル曲「テルネロファイター」からは、怒涛のシングルメドレーに突入。グループ名&牛に引っ掛けた歌詞や振りのインパクトが強烈な「テルネロ~」はもちろんだが、夏祭りのような空気感が楽しい「夏味ランデブー」、み!るきーずのコールがひときわ大きかった「新学期アラカルト」……とデビュー曲までをプレイバックするように曲が進んでいく。中でもメドレーラストの「コーヒーが飲めません」で、太智の「何、飲みます?」のフリに「コーヒーーーーー!」と返すみ!るきーずたちの一体感たるや……! 席を最高潮に盛り上げ、「黒いやつらに勝った気がする!」(瑞生)と笑っていた5人が本編ラストに披露したのは、飾らないユニゾンが胸にしみる「約束」だった。

 アンコールで登場した5人は思いを込めるように「逢い」、「宇宙ジャンボリー」を披露。ラストの「疾走ペンデュラム」では、メンバーとみ!るきーずのリズミカルな掛け合いが、パンキッシュなレベルの盛り上がりを見せていた。

 悠稀の「最初はこの5人で3年続くと思ってなくて……」という言葉からスタートした締めの挨拶では、「(4人のメンバーは)僕の中にない価値観を教えてくれる大切な存在」(仁人)、「こんな大きなステージに立てるなんてね! 思いもよらないことが起こってる」(太智)など、さまざまなコメントが飛び出した。ライブ前に捻挫をしてリハーサルになかなか参加できなかったという瑞生は、「このパシフィコのライブは僕らの中では大きくて。いつものわちゃわちゃを封印して、ダンスやパフォーマンスに力を入れたり……」とこの日に賭けたメンバーやスタッフの思いを代弁。最年長の勇斗はメンバーとのさまざまな思い出を振り返って、「この5人で本当によかった。誰一人欠けても僕はイヤだし、この5人でステージに立てて幸せです」とコメント。そして常々「『紅白歌合戦』の司会をやりたい」と発言してきた彼らしく、「絶対この5人で紅白のステージに並んで、日本中を僕たちのおいしい牛乳で満たしたいと思います!」と夢を語った。

 ユニットの“別人格”といえるBLACK M!LKの登場や5人の個性全開のソロコーナー、3年間を振り返るメドレーと、アニバーサリーにふさわしい内容で楽しませ、最後に春の全国ホールツアーを発表し、み!るきーずを大いに沸かせた5人。その歴史を振り返ると、勇斗が受験のため休業するなどさまざまな時期を経てここに至っているのだが、特にこの1年の人気の加速ぶりには目を見張るものがある。もちろん瑞生や勇斗のメディアでの活躍も引き金になっているのだろうが、彼らが何があってもこの5人で進もうとする“覚悟”のようなものが、結果となって現れたような気がしてならない。ビジュアル的にはまだまだかわいらしい5人だが、次のツアーでは果たしてどんな“強さ”で、私たちを驚かせてくれるのだろうか。

(取材・文=古知屋ジュン/写真=笹森健一)

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