欅坂46「サイレントマジョリティー」はなぜアイドルたちを魅了する? 楽曲のパワーとメッセージ
「サイレントマジョリティー」には、「大人からの抑圧に対抗する自我の芽生え」という楽曲テーマがある。センターに平手友梨奈を据えたダンスには「民衆を導く自由の女神」がイメージされているが、マイノリティが多数派に立ち向かう姿は絵画が示すように、美しく、自身を鼓舞させる。「サイレントマジョリティー」という楽曲が持つパワーは“抑圧に反抗する”という、ともすれば煙たがられやすいテーマ性を、女性アイドルがキャッチーに世に放ったこと。そして、他の曲では替えが効かないその独自性が多くの人々によって歌われる理由として挙げられるだろう。
国民的に愛される稲垣、草なぎ、香取が、「サイレントマジョリティー」を“歌いたい”と選び、歌ったことは、楽曲が多くの人々によって歌い継がれていく可能性を予感させる出来事であった。
■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter