『ここさけ』『恋と嘘』『四月は君の嘘』……作曲家 横山克の劇伴はなぜ“青春劇”と相性が良い?

 こうした少女漫画テイストの青春劇と横山音楽の相性がいいのは、彼がアイドルソングも手掛けていることが少なからず影響しているだろう。横山が提供したアイドルソングの曲調は多種多様だが、10代の少女たちに向けて曲を書くためには、彼女たちを知り、寄り添う必要がある。横山はもともとモーニング娘。のファンで、ももクロのライブにも頻繁に足を運ぶアイドル好きだったということで、彼女たちの心理に比較的スムーズにリンクできたのではないだろうか。

 第一線で活躍する劇伴作家の中では、現在34歳の横山はまだまだ若手ともいえる。デジタルサウンドへの造詣も深い横山自身の若い感性はもちろん、10代のアイドルにも精通していることが、若者の心に響く“青春劇”の劇伴作りに好作用を及ぼしているのではないだろうか。

■まにょ
ライター(元ミージシャン)。1989年、東京生まれ。早大文学部美術史コース卒。インストガールズバンド「虚弱。」でドラムを担当し、2012年には1stアルバムで全国デビュー。現在はカルチャー系ライターとして、各所で執筆中。好物はガンアクションアニメ。Twitter

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