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アーティストが語る“ミュージックヒストリー” 第八回:Chara

Charaが語る、プリンスへの憧れと後悔 「もっとアプローチしておけばよかった」

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 隔週木曜日の20時~21時にInterFM897でオンエアされているラジオ番組『KKBOX presents 897 Selectors』(以下、『897 Selectors』)。一夜限りのゲストが登場し、その人の音楽のバックボーンや、100年後にも受け継いでいきたい音楽を紹介する同番組では、ゲストがセレクションし、放送した楽曲をプレイリスト化。定額制音楽サービスKKBOXでも試聴できるという、ラジオと音楽ストリーミングサービスの新たな関係を提示していく。7月20日の放送には、Charaが登場。“自身が影響を受けた音楽”と“100年後に残したい音楽”を紹介する。今回はそのプレイリストから彼女の音楽性を掘り下げるべく、同回の収録現場に立ち会った模様の一部をレポートしたい。

The Nolans「Touch Me In The Morning」

 Charaがまず、自身のルーツとして挙げたのは、The Nolansの「Touch Me In The Morning」(アルバム『Making Waves』収録)。同曲はダイアナ・ロスの歌唱したバージョンが有名で、実際にCharaもダイアナ・ロスを好きだと公言しているが、あえてこのバージョンを選曲したのは、幼少期の思い出が影響しているという。CharaがThe Nolansに出会ったのは小学校6年生ころで「妹と2人で真似しようと思ったけど上手く歌えなかった思い出がある」と語るなど、ボーカリストとして活動する以前、本当の意味での原点にこの楽曲は存在していた。ダイアナ・ロスのオリジナル版よりも姉妹ボーカルによるグルーヴ感が前面に出ており、Charaのボーカルが持つ“強さ”と“キュートさ”のベースとなっているようにも見える。また、Charaが最新作『Sympathy』で見せる様々な一面と、姉妹の様々な声質には共通点があるようにも思える。

 彼女は洋楽との出会いについて「小学校のとき、テレビで小林克也さんが『ベストヒットUSA』をやっていたし、街にもレコード屋はあって、少し年上の先輩に訊けば教えてくれた」と語る。現在はスマートフォンやストリーミングサービス、動画サイトの登場により洋楽を調べて聴くことは容易になったが、確かに幼少期から自然と生活の中に洋楽が溶け込む機会は少ない。Charaと洋楽の出会い方は、そんな時代の変化も感じさせてくれるものだった。

U2「With or Without You」

 そして、“10代20代の節目となった曲”としてピックアップしたのは、U2「With or Without You」(アルバム『The Joshua Tree』収録)。彼女はこの曲について「女子校時代に友達の家に行って一緒に聴いていた」と語る。さらに、1987年にフランス・パリのヴァンセンヌ競馬場で彼らのライブを観たというCharaは、当時のエピソードについて「人がアリンコみたいだった。フェスとかもない時代だったし、電車も無くて帰りはみんな歩いていた。なにより、前座がThe Velvet Undergroundだった」と、スペシャルな思い出を話してくれた。

Lisa Lisa & Cult Jam「I Wonder If I Take You Home」

 もう1曲“10代20代の節目となった曲”として紹介したのは、Lisa Lisa & Cult Jamの「I Wonder If I Take You Home」(アルバム『Lisa Lisa & Cult Jam with Full Force』収録)。Charaはデビュー前、ソロではなく3人組のグループとして活動していたことから、Lisa Lisa & Cult Jamに強いシンパシーを感じたという。いわゆる80年代のニューウェーヴ〜ニューロマンティクス的なサウンドは数年前から日本を含め世界的にリバイバルが起こっていたこともあってか、Charaはこの曲について「いま聴いても新しく感じるよね」とコメントする。楽曲との出会いについて、Charaは自身が10代のころにローラーディスコに夢中になっていたこと、そのシーンでは掛かることの多い楽曲であることを明かしてくれた。

プリンス「Poplife」

 番組中盤では、“音楽を始めてから影響を受けた曲”として、プリンスの「Poplife」(アルバム『Around The World In A Day』収録)が紹介された。19歳から歌手としてのキャリアをスタートさせたCharaだが、元々はキーボーディストとして作曲をすることが好きだったという経歴を持つ。そのため、マルチプレイヤーでプロデュース能力もあるプリンスに憧れを抱いたそうだ。Charaはプリンスについて「クレイジーでセクシー。ブラックミュージックもダンスミュージックも好きで、そのなかでも彼の曲はちょっと変わって聴こえる」というイメージがあったそうで、自身も楽器が好きなことから、プリンスが愛用していたSequential Circuits社のドラムマシン(『Sequential TOM』)を買ったという。また、Charaはかねてから「プリンスと共作したい」と公言していたが、彼が逝去したことで「もっとアプローチしておけばよかった」と後悔し、その気持ちから最新作『Sympathy』に「Funk」というタイトルの楽曲を収録したことを明かした。

The Reign Of Kindo「Hold Out」

 もうひとつ“音楽を始めてから影響を受けた曲”としてピックアップしたのは、Rickie Lee Jonesの「Company」(アルバム『Rickie Lee Jones』)と、ここに来てようやく女性ソロシンガーの登場。Charaは同作について「ドラマティックすぎるのは嫌だけど、このアルバムはちょうどいいドラマティック感がある。ジャケットも格好いい」と、ビジュアルや音像を含めた見せ方に影響を受けたと語る。また、ベレー帽をかぶってタバコをふかしている画に憧れ、彼女と対面の機会があった際もベレー帽を被って行ったそうだ。

 なお、番組では彼女の“100年後に残したい音楽”や、新作『Sympathy』についてのトークも行われた。本番組で語られたスタンスや情報を踏まえてアルバムを聴くことで、作品に込められたメッセージを改めて紐解くことができるはずだ。

(文=中村拓海)

■番組情報
KKBOX presents『897 Selectors』
DJ:野村雅夫 
放送日:毎月第一・第三週木曜20:00からInterFM897でオンエア
次回ゲスト:Chara(7月20日放送)
番組ホームページ

■連載「アーティストが語る“ミュージックヒストリー”」バックナンバー
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