DEATH SIDEがPISSCHRIST、TEAR GASと共演果たした夜ーーISHIYAのメルボルンライブレポ

DEATH SIDEメルボルンライブレポ

 目覚めるとYEAP主催で、SADISTがスクワット(不法占拠した建物)でライブをやっているとの書き置きがあり、すぐに連絡を入れ迎えに来てもらいライブ会場へ。そこは広大な敷地の中に、廃屋となった何かの跡地のような建物があり、囲われたフェンスの破れたところから入り込むという、まさにスクワット状態で、トイレなどもなく、電気も自家発電で行われた。出演している地元オーストラリアのバンドも非常に良いバンドが多く、メインのSADISTもボーカルのトラブルはあったが、素晴らしいライブを行なっていた。

20170620-iy13.jpg
スクワットのライブ会場(写真=メンバー撮影)
20170520-iy12.jpg
スクワットのライブに集まる観客(写真=メンバー撮影)

 この3日間は、DEATH SIDEが出演した2回のメインショーを含め、初日のアフターパーティー、雨で中止となってしまったが2日目の昼間にもショーの予定があり、3日目のこのスクワットでのショーと、併せて5つのショーが開催されるイベントになっていた。これはある意味フェスティバルのようなもので、一つの大きな会場だけでやるという形とは違ったスタイルのフェスだと思う。その3日間は遠くからやって来た人間も地元の人間も、誰もかれもがパンク漬けになる素晴らしい3日間だった。そのメインとしてDEATH SIDEで出演できたことを光栄に思うし、オーガナイズしてくれたYEAPとPHILには心からの感謝を送りたい。

20170520-iy14.jpg
終了後の打ち上げ(写真=メンバー撮影)

 世界中のどの国に行っても、こんなにみんなが楽しみにしてくれていて、ここまで盛り上がる、CHELSEAという男が残した楽曲の偉大さを改めて痛感した。南半球の国にやってきても、ここまで支持されていることには驚きを隠せない。日本のハードコアが世界に与えた影響を実感するとともに、ハードコアパンクというものを通じて世界中で繋がる友人というものが、どれほど大切であるかを身に沁みて感じた3日間だった。

20170520-iy15.jpg
帰りの空港にてYEAP,PHILとメンバー(写真=メンバー撮影)

 今夏、DEATH SIDEは日本でライブの予定がある。7月23日愛知県豊田市で開催の『TOYOTA PUNK CARNIVAL 』では、再始動後、初の愛知県でのライブをフリーライブとして行なう。8月6日には『TO FUTURE GIG 2017-怒りのヒロシマ-』が、同日に原爆が投下された広島に呼んでくれた。自らDEATH SIDEがライブをやるのは毎年8月17日のCHELSEAの命日しかないだろう。いつまでライブをやるのかは未定だが、バンドの完成度は高まって来ており、今後まだやっていない曲も増やそうという話も出てきている。機会があれば、CHELSEAの残した意志と共に、新しいDEATH SIDEを感じてもらえれば、日本のハードコアパンクを感じてもらうことができるはずだ。次の機会がやってくるかどうかなど、誰にもわからない。その瞬間の可能性に全てを賭ける。DEATH SIDEのサウンドとメッセージは、今も変わりなく存在している。

20170520-iy19.jpg
(写真=NATSUMI ARAKAWA)

■ISHIYA
アンダーグラウンドシーンやカウンターカルチャーに精通し、バンド活動歴30年の経験を活かした執筆を寄稿。1987年よりBANDのツアーで日本国内を廻り続け、2004年以降はツアーの拠点を海外に移行し、アメリカ、オーストラリアツアーを行っている。今後は東南アジア、ヨーロッパでもツアー予定。音楽の他に映画、不動産も手がけるフリーライター。FORWARD VOCALIST ex.DEATH SIDE VOCALIST

■ライブ情報
TOYOTA PUNK CARNIVAL 2017
7月22日(土)、23日(日)
SUN TOYOTA STADIUM

DEATH SIDE
THE AUTOCRATICS
BACARA
CRACKS
THE 原爆オナニーズ
HAT TRICKERS
MALICE PANIC
NEVER AGAIN
ニュータウン御意見無用バンド
NO EXCUSE
NUMB
PALM
THE PRISONER
ROTARY BIGINNERS
RYDEEN
SYSTEM FUCKER
VVORLD
WARHEAD

AND MORE!!

DJ/SKATELAMP/BIKINI WASH/LIVE PAINTING/SHOP/FOOD/DRINK ETC.

問い合わせ:TOYOTA PUNK CARNIVAL実行委員会

TO FUTUR GIG 2017 二十一世紀の新しき平和の祭典!爆音で反戦を叫ぶ!
8月6日(日)
ブルーライブ広島
OPEN16:00/START17:00

DEATH SIDE
TURTLEISLAND
OLEDICKFOGGY
DR.BREAKER
ORIGIN OF M
NEVER AGAIN
DJ TETTA / DJ 86 /MC:ガル僧
展示:宇佐美雅浩 -早志百合子 広島2014-
ライブコラージュ:河村康輔

​チケット:全自由 前売り3,000円 当日3.500円
※未就学児無料、学割チケットは1000円にて当日販売(学生証の提示が必要)
※いずれも税込、1ドリンク代別途500円要

プレイガイド
・BLUE LIVE チケットセンター
・ローソンチケット [ L: 61428 (0570-084-006) ]
・チケットぴあ  [ P:331-252 (0570-000-777) ]
・e+
・DISK SHOP MISERY
問い合わせ
・DISK SHOP MISERY Tel.082-241-0782
・BLUE LIVE チケットセンター Tel.082-250-5522

『BURNING SPIRITS〜CHELSEAの日』
8月17(木)新宿LOFT
OPEN18:30/START19:00

DEATH SIDE
ASYLUM
RAPES
POISON ARTS

当日券のみ1000円+ドリンク
入場時に1ドリンク500円か、3ドリンク1000円を選択。
追加ドリンクも同。

問い合わせ:新宿LOFT

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「音楽シーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる