Mr.Children、YUKI作で注目の映像作家=牧野惇による絢香「コトノハ」MVから歌詞の魅力を分析
絢香といえば、スモーキーで芯のある歌声はもちろん、普遍的な歌詞に心を打たれたファンも多いはず。牧野監督が“想いがストレートに出ている歌”と評しているように、絢香は必要最低限の言葉で歌詞を紡ぎ、伝えたいメッセージの本質のみを表現する。これは絢香が持つソングライターとしての独自の魅力と言える。歌い始めにある<懐かしいあの声が 寄り添う 帰り道 元気にしてますか? あなたを思う日々>というフレーズのように、歌詞に余白を与えることで聴き手に想像の余地を残す。個人的な感情や体験から生まれた曲であっても、あくまで歌の中の主人公は聴き手なのだ。
たとえば、代表曲の「三日月」や1度目の活動休止から復帰する際にリリースした『The beginning』の1曲目「はじまりのとき」も、自身の体験や大切なものへの想いが色濃く反映されている。しかし、いずれの楽曲も高い共感性を持ち、今もなお色褪せることなく幅広い年代のリスナーを魅了し続けている。「コトノハ」とカップリング曲「センチメント」からは、そんな絢香の繊細な言葉選びのセンスが、より一層研ぎ澄まされた印象を受ける。
18歳のデビューから昨年10周年を迎え、アーティストとしてはもちろん、ひとりの女性として成熟さを増した絢香。祖父からの手紙が彼女を長年支え続けたように、彼女の音楽もまた、時代を越えてリスナーに愛され続けていくことだろう。
(文=泉夏音)
■リリース情報
『コトノハ』
発売中
CD+DVD ¥1,800(+税)
CDのみ ¥1,000(+税)
<収録内容>
M1.コトノハ再生
M2.センチメント
M3.コトノハ (Instrumental)
M4.センチメント (Instrumental)
<DVD収録内容>
1.コトノハ (Music Video)
2.コトノハ (Making Video)
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