椎名林檎、トータス松本とのデュエットで表した“銀座の街” 「目抜き通り」を堂々と歩く存在に

 「目抜き通り」というタイトルを聞いて、筆者がまず思い出したのが、『日出処』のリリース時のインタビューの発言だった(参考:http://sp.universal-music.co.jp/ringo/sunny/liner.html)。この頃から、椎名林檎にとって「目抜き通り」というのは、ひとつの大切なテーマとなっていた。前述のインタビュームービーでは、以下のようにも話している。

「大事にしたかったのは『目抜き通り』という言葉。よくたとえで用いますけど、『目抜き通りでちゃんと勝負をしたい』とか。そういう精神世界というか、自分たちの“人間としての成長”を喜びたいということですね。そういう気持ちをみなさんと共有できるような曲にしつつ、それが銀座を象徴するような曲になったらいいなという気持ちでした」

 その言葉のとおり、近年、椎名林檎は“目抜き通り”を行くような活動が増えている。その最たる例は、クリエーティブスーパーバイザー/音楽監督としてプロデューサーを務めた2016年夏のリオオリンピックの閉会式『トーキョーショー』だ。今回のGINZA SIXも含め、「日本を世界に向けて発信する」というテーマに関わることが続いている。デビュー当時は、どちらかというとアンダーグラウンド色の強い印象もあった椎名林檎。しかし、2017年の今、椎名林檎は堂々と“目抜き通り”を歩く存在となっている。果たして、その道はどこに続いているのだろうか。これまでの様々なプロデュース業の集大成とも言えるような、さらなる大きなプロジェクトへの参加も、大いに期待したいところだ。

(文=若田悠希)

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