コラボ作品集『SPECIAL OTHERS Ⅱ』特別企画
SPECIAL OTHERS × GEN(04 Limited Sazabys)、コラボで見えた互いの価値観「音楽が一番よくなる方法を探す」
「我を通すというよりは、プレゼン」(芹澤 "REMI" 優真)
ーーいちファンから作品に参加するまでに至ったのは、夢のような物語だと思うのですが、そもそも出会いはいつだったんでしょう。
芹澤:『COUNTDOWN JAPAN』かな? そこで(フォーリミの)マネージャーに会って。
宮原:実はそのマネージャーと同級生なんです。
芹澤:一緒にバンドやってて、高校の中でも一番仲がよかったんです。
ーースペアザは4人とも同じ高校ですから、みんなと仲良かったと。
宮原:99年のフジロックにも行ったし、一緒にあの頃の音楽体験をしていたんです。(マネージャーから)いろんな音楽を教えてもらったよな。Rage Against the Machineとか。
柳下:元々は、ヒットチャートのコピーバンドだったからね。
ーーマネージャーさんも、10周年イヤーに欠かせない、スペアザの原点を作った人物じゃないですか!
芹澤:そうなんです。そんなヤツと再会した時に、「秘蔵のバンドがいるんだ」って、フォーリミを聴かせてもらって、これはいいバンドだ、売れそうだし仲良くなりてえと(笑)。
宮原:まだ、あんとき売れてなかったもんね。
ーーそれ、何年前くらいなんですか?
芹澤:3年前くらい? 武道館とか見えてない頃だよね。
GEN:2014年末です。
芹澤:『monolith』(2104年2月リリース/3rdミニアルバム)を聴いたのかな。これは他にないわ、メロコアなのにハイトーン……ハイトーンなんてもんじゃねえぞ!って。また、声に耳がいきがちだけど、バックボーンにメロコアがあることがわかって。今の若いバンドのバックボーンって、J-ROCKに聴こえることが多いですけど、フォーリミからはちゃんとメロコアの作法を感じたんですよね。
ーースペアザは、メロコアの作法に厳しい世代ですもんね。
宮原:そうそう、ハイスタを聴いて育った世代ですから。
芹澤:ちゃんと輩っぽくないとメロコアはダメだと思ってGENと喋ったら、ちゃんと輩だったし(笑)。
ーーそこから交流がはじまって、フォーリミが地元で主催している『YON FES 2016』にスペアザが出たりするようになっていったと。
GEN:そうですね。ちょっとずつフェスとかでもご一緒するようになっていって、そのたびに、またコラボ盤を作ることがあったら誘ってくださいねって言ってたんですよ。でも、まだそんなに決まってないから、って言われていたんですけど、今回ほんとに誘ってくれたんで、キタ!って。
宮原:その時、どんな曲をやりたいって話もしたかもね。「YON FES」の時だっけ。
GEN:そうですね。
宮原:第一弾でKj(Dragon Ash)が歌ってる「Sailin’」が好きだから、ああいうのがいいっす! って言ってたね。でも今回歌ったのは全然違うっていう(笑)。
GEN:(笑)。あの曲で、この組み合わせは素晴らしい! って思いましたね。(MVの揃いの)衣装を着たい! とまで思いましたから(笑)。今回の曲の場合は縁側のイメージだから、作務衣かな? とか(笑)。RIP SLYMEがお寺で修行してるMVの「BLUE BE-BOP」みたいな。
宮原:あれ、うちの近くの寺(笑)。
GEN:そうなんですか?(笑)。
宮原:今からMV撮りたいね!
ーー話が発展していってますが(笑)。そもそも今回GENさんは、フォーリミのメンバー以外の人と制作をすること自体が初めてだったわけですよね。緊張も大きかったんじゃないんですか?
GEN:そうですね。ギリギリまで悩みました。先輩の作品だし、錚々たるメンツが参加してますし、よくならなかったらどうしようと。
ーー曲作りやレコーディングの仕方も違うでしょうし、いろんなものを得られたんじゃないでしょうか。
GEN:そうですね。レコーディングの空気感もよくて、みんなが建設的にアイディアを出し合っていて。良太さんが中心なんですけど、「みんなはどっちがいいと思う?」「俺はこっち」って、出てきたアイデアを全部試していて、それがいいなって。
宮原:確かに全部試してるわ。
GEN:全員が話し合って決めていくんですよね。普通はギスギスすることもあると思うんですよ。でも、緩い感じで、全部を試しながら進めていくんですよね。
宮原:それは、俺たちが10年で培ってきたものかもしれないね。
ーーこういうスタイルだからこそ、10年続いてきたんでしょうね、スペアザは。ずっと民主主義的なやり方だったんですか?
宮原:最初はちょっと違ったのかもしれない。大ゲンカはないにしても、揉めることはあったんですよ。「俺はこっちのアレンジがいいんだ!」って。でも、実際にいろんなアイデアを試すと「あ、俺のいいと思っていたアレンジは違った」って気付くこともあって。だから、誰かが「これはよくないんじゃ?」って言うものも音を出してみて、やっぱダメだったら納得できるっていう。
又吉:あとは、「こんなに言うならしょうがないか」ってなることもあります。
芹澤:我を通すというよりは、プレゼンなんですよね。若い頃は自分を通したいがために音を置き去りにすることもあって。でも、今は俺より音が基準だから、この音がいいんだって思う時こそ主張するべきで。音楽が一番よくなる方法を探すっていう。
宮原:その通り。
芹澤:よくスポーツ選手が、「あなたはこの試合で活躍しましたね」って聞かれて「いや、チームが勝ったことが一番です」って答えるじゃないですか。その意味がよくわかる。スポーツ選手は若いうちから気付いてますよね。俺らは年の功で気付けたっていう。
GEN:意見が出しやすい環境もありますよね。こういうテンションで生まれたアイデアだから、こういう音楽になっているんだってわかりました。
ーーそれを現場で体感できたと。
GEN:そうですね。もっと他の人と作品を作ってみたいと思いました。
宮原:おおー。
ーーこれからの活躍も楽しみですね。
芹澤:フォーリミが売れてくれれば、俺らのアルバムも売れるし(笑)。
宮原:この経験を踏まえて、フォーリミはどんなにデカくなっても、俺らを誘ってくれると思う。
芹澤:ドームツアーの際に対バンとして呼んでくれればね(笑)。行けるんじゃないかなあ。
ーーお互いのいい関係性は「loop」のコーラスのハーモニーにも表れていますね。
GEN:一緒に歌えたのが、嬉しかったですね。スペアザのみなさんは歌うことに対して消極的なので。
宮原:そうだね(笑)。
又吉:上手くないからインストバンドなんだよ!(笑)。
柳下:GENが〈このまま どこまで〉を歌ってほしいって提案してくれて。
GEN:僕とスペアザの声が混ざったら素敵だなって思ったんです。よりコラボ感が出るなって。
宮原:聴いてると、楽しかったのを思い出すよね。
柳下:やってよかったよね。
GEN:しかも日本語をスペアザが歌うのって貴重ですよね。
芹澤:コラボでしか歌わないからね。
ーースペアザは3月からツアーがはじまりますね。しかも『BEST盤TOUR』なんですよね。
宮原:初心者に優しいツアーですよ。
芹澤:初回盤限定のベスト盤を聴けば、全力で楽しめると思います。
ーーこういったスタイルは珍しいですよね。
芹澤:ベスト盤をリリースすることが引っ掛かってて。全てにネガティブなイメージがあるわけじゃないんだけど、自分たちの過去をアーカイブすることに抵抗があって、10周年さえ最初は言いたくなかったんです。だから、ベスト盤はおまけ、くらいの意味も込めてますね。
宮原:ベスト盤を出す一番カッコいいやり方って、付属させるやり方かなって。
柳下:コラボ盤で初めて俺たちの音楽に触れる人にも……。
又吉:名刺代わりになりますしね。
ーーあとは、ツアーのどこかで、GENさんが入った形で「loop」を聴きたいですね。
宮原:やりたいですね。可能性は0じゃないからね。
芹澤:全ての会場で可能性は0じゃないからね。
GEN:どこが一番楽しいですかね?
宮原:どこだろうね~。
芹澤:全部いるかもしれないよ(笑)。
ーーおおお!?
GEN:ライブが被ってて可能性0な日はありますよ!(苦笑)。
宮原:可能性を感じるのは自由です!(笑)。
(取材・文=高橋美穂/写真=外林 健太)
■リリース情報
『SPECIAL OTHERS II』
発売:2017年3月1日(水)
初回盤 ¥3600(税抜)
通常盤 ¥1800(税抜)
<収録曲>
01.「ザッチュノーザ」SPECIAL OTHERS & 斉藤和義
02.「始まりはQ(9)CUE」SPECIAL OTHERS & RIP SLYME
03.「マイルストーン」/ SPECIAL OTHERS & 山田将司 (from THE BACK HORN), 菅原卓郎 (from 9mm Parabellum Bullet)
04.「loop」/ SPECIAL OTHERS & GEN (from 04 Limited Sazabys)
05.「かませ犬」/ SPECIAL OTHERS & 浜野謙太 (from 在日ファンク)
※初回限定盤は、「BEN」「Uncle John」Retakeを含む、全19曲収録のデビュー10周年記念ベスト盤”SPECIAL OTHERS BEST”(2CD)付属、豪華3CDデジパック仕様
※初回生産分には参加全アーティストのサインが入ったスペシャルステッカー封入
《SPECIAL OTHERS BEST》 ※初回限定盤のみ付属
【Disc1】
01. BEN [Retake]
02. Uncle John [Retake]
03. IDOL
04. AIMS
05. Good morning
06. Surdo
07. STAR
08. Laurentech
09. Hankachi
【Disc2】
01. PB
02. Stay
03. Wait for The Sun
04. beautiful world
05. ROOT
06. ORION
07. neon
08. Good Luck
09. I’LL BE BACK
10. LIGHT
主要配信サイトにて、配信中
iTunes
レコチョク
mora
■ライブ情報
『SPECIAL OTHERS 10th Anniversary BEST盤TOUR QUTIMA Ver.22』
3月11日(土)横浜Bay Hall OPEN17:00/START18:00
3月12日(日)Live House浜松窓枠 OPEN16:45/START17:30
3月17日(金)金沢EIGHT HALL OPEN18:30/START19:00
3月18日(土)長野CLUB JUNK BOX OPEN17:30/START18:00
3月20日(月・祝)新潟LOTS OPEN17:00/START17:30
3月25日(土)広島クラブクアトロ OPEN17:30/START18:00
3月26日(日)岡山YEBISU YA PRO OPEN17:00/START17:30
4月1日(土)福岡DRUM LOGOS OPEN17:30/START18:00
4月2日(日)熊本B.9 V1 OPEN17:00/START17:30
4月8日(土)盛岡Club Change WAVE OPEN17:30/START18:00
4月9日(日)仙台Rensa OPEN16:45/START17:30
4月13日(木)水戸LIGHT HOUSE OPEN18:30/START19:00
4月15日(土)札幌ペニーレーン24 OPEN17:30/START18:00
4月20日(木)高崎club FLEEZ OPEN18:30/START19:00
4月22日(土)高松MONSTER OPEN17:30/START18:00
4月23日(日)高知キャラバンサライ OPEN17:00/START17:30
4月28日(金)HEAVEN’S ROCK UTSUNOMIYA VJ-2 OPEN18:30/START19:00
6月2日(金)Zepp Nagoya OPEN18:00/START19:00
6月3日(土)なんばHatch OPEN17:00/START18:00
6月9日(金)Zepp Tokyo OPEN18:00/START19:00
6月17日(土)沖縄 桜坂セントラル OPEN17:30/START18:00
04 Limited Sazabys
■リリース情報
『eureka』
発売:2016年9月14日(水)
初回盤(CD+DVD)¥3.200(税抜)
通常盤(CD)¥2.500(税抜)
<収録曲>
01.Horizon
02.Feel
03.drops
04.Warp
05.paradise
06.climb
07.Night on
08.mahoroba
09.discord
10.Telepathy
11.Letter
12.eureka
<初回盤DVD収録内容>
・AIM tour 2016 final @TOYOSU PIT
・AIM tour Diary
・NEWS 04
・AIMツアー 慰安旅行?
■ライブ情報
『YON FES 2017』
4月1日(土)、2日(日) 愛知 モリコロパーク