SPECIAL OTHERS × GEN(04 Limited Sazabys)、コラボで見えた互いの価値観「音楽が一番よくなる方法を探す」

SPECIAL OTHERS × GEN 対談

170305_so_int_gen.jpeg
GEN(04 Limited Sazabys)

「絆で結ばれていて抜け出せない、そこを「loop」っていう言葉にした」(GEN)

ーーなるほど(笑)。そして、やっとご登場いただきますが、GENさんの「loop」も、GENさんが04 Limited Sazabysでは見せたことのない面を見せていて、とても新鮮でした。

GEN:もっとアップテンポな曲を歌うのかな?と思っていたので、デモが送られてきた時に「遅い!?」と思いました(笑)。

4人:ははははは!

GEN:これはどうしようかな、って。だから、普段見せているような、声を張って速く歌う感じじゃないようにしようとは思いましたね。

宮原:自分たち的にも、フォーリミとは違うテイストにしようとは思っていましたね。その方が今回は面白いかなって。相手に寄せていくパターンの曲もあるんだけどね。

芹澤:後輩だし、やれって言えばやるだろうと(笑)。

ーーこの変化球を打てるか!と(笑)。でも、GENさんなら打てるだろうという確信があったからこそ投げたんですよね?

宮原:でも、確信まではなかったんです。GENのこういう一面を見たことがなかったので。

柳下:そもそも、自分たちの中でもそんなにないタイプの曲だったので。

ーー両者にとって実験的な曲だったんですね。

芹澤:そうですね。

ーーじゃあGENさんは、どういう解釈でこの変化球を打ち返そうと思いました?

GEN:デモを聴いた時の第一印象が「縁側」だったんです。『茶の味』(2004年/石井克人監督)っていう映画があるじゃないですか? ああいうテンション感だと思ったんです。子育てとかが終わった老夫婦が、温かい縁側で人生の道のりを振り返っているようなイメージが浮かんだんです。

ーーそこまで詳細に!

GEN:はい。で、実はこの歌詞、僕の祖父母のことを書いているんですよ。

4人:へえー!

GEN:実は去年、祖父母は死んでしまって。僕が実家に帰ると、いつも祖父母はケンカしてたんですね。ほんっと仲悪いなって思ってて。じいちゃんは酒飲むと、ばあちゃんに悪口を言うし。それが、ある日おばあちゃんが体調を崩して、認知症のようになったんです。そうしたらおじいちゃんがめちゃめちゃしっかりして、ご飯とか作ってあげてて。あの荒くれ者だったじいちゃんが!? やっぱり愛があるんだなって思ってたんですけど、結局おばあちゃんは亡くなっちゃって。それでじいちゃんは落ち込んでしまって、その一カ月後くらいに死んじゃったんです。また、死んだ後にわかったことがあって。実は二人は、一回別れていたんですよ。親父が生まれる前に離婚してて、その後に再婚したっていう。

又吉:凄い話だねえ。

GEN:だから、僕の印象では、二人は仲が悪そうだったけど、実は凄い絆で結ばれてたんだな……っていうことを、この「loop」の歌詞にしました。

芹澤:そんなテーマがあったんだ。

宮原:大事な思い出を俺たちの曲にのせてくれて、ありがたいわ。

GEN:なので、じいちゃんばあちゃんのことを、葬式とかもライブで行けなかったんで、歌にできて嬉しかったです。

ーーこの凄い話を、今までみなさんに言ってなかったんですか?

GEN:あまり言ってなかったです。

芹澤:あまりっていうか、全然聞いてなかったよ! 老夫婦、みたいなイメージは聞いていたけれど。俺らにはこの歌詞はそういう歌詞に聴こえていないっていうのも、また面白くて。俺は、若い奴の書く歌詞だなって思ってたんですよね。恋愛のようなニュアンスがあるなって……まあ、本当に老夫婦の恋愛の歌詞ではあるんだけど。こういうフレッシュな歌詞って若いヤツしか書けないな、って思っていたんです。

170305_so_int1.jpeg
芹澤 "REMI" 優真

ーー確かに、キラキラしていますよね。でも、GENさんの話を聞いてから歌詞を聴くと、なるほど!と思えるフレーズがたくさんあって。

GEN:そうですね。ケンカばっかりしていても、絆で結ばれていて抜け出せないっていうか、そこを僕は「loop」っていう言葉にして。〈人生レベルで 狂わせる / 解けない呪い またかけ直す〉とか。

宮原:うんうん、そういうことね。

GEN:“魔法より呪い”みたいな感じかな。いいことだけじゃない。

芹澤:深いじゃないか!

GEN:ありがとうございます。

ーーそういう大事なテーマをこの曲に落とし込んだということは、このコラボに対して思い入れが深かったからなんでしょうか。

GEN:そうですね。僕はバンドをはじめる前からスペアザのファンだったので、一緒にできてほんとに嬉しいですし、尊敬している人たちと一緒に作品を作れることは幸せなことなので。

ーージャンル的には離れているように見えるじゃないですか。そんなGENさんから見て、スペアザのどんなところのファンだったんですか? 愛の告白みたいですけど(笑)。

宮原:目の前で聞くの恥ずかしいな(笑)。

又吉:言いづらいだろ(笑)。

GEN:(笑)。多幸感、ですかね。ガツガツしてないじゃないですか。僕らの音楽はアタックも強くてキメもカチカチしてて、そこにもカッコよさはあるんですけど、スペアザはなめらかというか、角がない感じがして。

170305_so_gen_2.jpeg

 

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる