Mia REGINA×Arte Refact 桑原 聖&本多友紀が考える、“アニソン”の定義と2010年代の展開

Mia REGINA×Arte Refactが考えるアニソンの定義

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5人が考える“テン年代のアニソン”

ーーナイスフォローです。昨今、チームで音楽を作るのがアニメ・ゲーム音楽界隈でのトレンドのようになってきていて。先日TO-MASの3人にも訊いたのですが、Arte Refactにとって、チームで音楽を作る利点とは?

桑原:そもそも前提として、音楽作家は自分の得意分野だけをやれるわけではなくて。数あるお仕事、曲の中から自分の曲を選んでもらって、そこからアーティストに合うための調整をしていく仕事でもあると思うんです。そんなときにチームでやっていれば、自分の不得意な分野を得意なスタッフに手伝ってもらったり、得意な分野でも意外性を加えたい時に、別ジャンルの作家からアイディアを引き出すこともできますから。あと、海外ではコライトも当たり前になって来ていますし。

ーー確かに、洋楽のポップスは複数人によるコライトが主流になりつつありますよね。

桑原:それに、音楽作家を1人でやっていると、本当に家から出ないんですよ。そういう意味でチーム制作だと気晴らしに話すことができたりするので、モチベーションにも大きな影響を及ぼすと思いますし、他のスタッフの活躍が刺激になるんです。この間も他のスタッフから「どうしたら本多に勝てますか」と相談を受けたりして(笑)。

ーーチーム内で切磋琢磨していくわけですね。Mia REGINAもリス子さんから「3人で歌っていると普段出ない音域が出る」という話がありましたし、その部分は共通するものがあるのかもしれないですね。

若歌:それは間違いなくあると思います。

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ーー今回のインタビューでは「ゼロ(2000〜)年代アニソン」「90年代アニソン」という言葉が頻出したので、これも訊いておきたいんですが、5人が思うテン(2010〜)年代のアニソンとは、どういうものなのでしょうか?

本多:お金をかけずに同じような制作環境を揃えられるようになってきて、クリエイターがどんどん細かく色んなことを作り込めるようになってきたと実感しています。音楽の世界的なトレンドも取り入れられる速度がアップしてきているのも間違いないですね。

桑原:とはいえ、時代が変わっても普遍的な、王道のメロディーって変わらないものなので、全く新しいものを作るというのは難しいのではないかと思っています。そのなかで、普遍的なものをただの焼き増しにとどめない、違ったアプローチを繰り出せるセンスが求められているのかなと感じる苦悩の日々です(笑)。

ーー歌う側の3人はどうですか?

リス子:ゼロ年代は『けいおん!』でアニメキャラが楽器を弾いて、それがライブにもなって、逆転現象で音楽ファンがアニソンに参入して来た時代でしたよね。テン年代はそれすら当たり前になって、アニソンという枠の中に「これってもしかしてあの音楽がルーツ?」という意外な小技も増えてきた印象で。個人的にもそのネタ元を想像して楽しんでいたりします。

若歌:あと、アイドルがアニソンを歌うことが増えた影響も大きいと思います。Mia REGINAもディアステージがルーツだったこともあり、アイドルユニットと思われがちですし。アイドルが下とかアーティストが上という意識はまったくないのですが、自分たちで「本格派アニソンボーカルユニット」と名乗った以上は、何か独自の見せ方はしなければいけないなと思うことが多いですね。

楓裏:アニメ・ゲーム自体の門戸が開かれているのもテン年代の特徴かもしれないですね。だからこそ、アニソンらしさが薄まっているとも感じるので、私たちはその「アニソンらしさ」を大事にしたいなと思います。

ーーちなみにアルバムでは数多くの挑戦をしてきましたが、今後こういったことにトライしてみたい! という目標はありますか?

楓裏:個人的なリクエストですけど、バラードがもっと欲しいですね。

若歌:私、このアルバムでバラード歌ってないもんね(笑)。そういう意味では、バラードは楓裏に、激しいロック系はリス子に、四つ打ちは私、みたいなイメージも壊していきたいですよね。私がバラードで楓裏が速いのを歌ってみたり。

リス子:それが混在したミュージカルみたいな歌も面白そう。

本多:8分ぐらいの曲ですかね(笑)。

リス子:いや、30分くらいでもいいかも。

桑原:それ、絶対ライブで自分たちの首を締めますって(笑)。プログレバンドじゃないんだから。

若歌:(笑)。まあ、色んな意味で無茶はしてみたいですね。

ーー1stアルバムは個々の色を付ける段階で、次は壊す段階だと。

桑原:ぜひミュージカル的な曲を出す際は、僕らが挑戦してみたいですね(笑)。

(取材・文=中村拓海/写真=下屋敷和文)

■リリース情報
Mia REGINA 1st アルバム『THAT'S A FACT!』
発売:2016年12月7日(水)
価格:¥3,000+税
<収録曲>
01:overture
作曲・編曲:高野裕也
02:THAT'S A FACT! ~千里の道も一歩から~
作詞:ささかまリス子 作曲・編曲:田中秀和(MONACA)
03:無敵乙女化プログレス
作詞:畑 亜貴 作曲・編曲:エンドウ.
04:ambivalent future / 霧島若歌
作詞:霧島若歌 作曲・編曲:本多友紀(Arte Refact)
05:蝶結びアミュレット
作詞:真崎エリカ 作曲:桑原 聖(Arte Refact)
編曲:山本恭平(Arte Refact)
06:ギミギミ☆greedy / 霧島若歌 & ささかまリス子
作詞:霧島若歌 作曲・編曲:山下洋介
07:with a wish / 上花楓裏
作詞:上花楓裏 作曲・編曲:酒井陽一
08:ラブリーデイ
作詞:上花楓裏 作曲・編曲:高田 暁
09:つなぐ未来 / 上花楓裏 & ささかまリス子
作詞:上花楓裏 作曲・編曲:森本貴大
10:ハバネロ / ささかまリス子
作詞:ささかまリス子 作曲・編曲:倉内達矢
11:White Guilty
作詞:霧島若歌 作曲・編曲:ラムシーニ
12:ETERNALエクスプローラー
作詞:結城アイラ 作曲・編曲:Kon-K

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