SMAPは“才能のプラットフォーム”だった 『SMAP 25 YEARS』首位でチャート締めくくる

 なお、今回のファン投票で一位に選ばれたのは、2006年のアルバム収録曲である「STAY」。熱心なファンにとって特別な一曲と呼ばれていましたが、一般的には認知度の低い曲でしょう。私自身も今回初めて聴いたのですが、これがほんとうに泣かせる曲で。歌い出しは以下です。

〈この先どうしようもなくすれ違ったり/言い争いがあったりしても/どうか道の途中で/手を離そうとしないでよ/ちゃんと繋いでてよ〉
 
 活動継続を求めるファンの声は届かなかったのか。結果論でいえば、届きませんでした。そもそも今回のSMAP騒動には、「アーティストとは、ファンの応援によって支えられているものだ」という前提がまったく無視されているような不気味さ、不安感、不快感が強かったのですが、この曲がちゃんと一位になったことは、せめてもの救いであるような気がします。

■石井恵梨子
1977年石川県生まれ。投稿をきっかけに、97年より音楽雑誌に執筆活動を開始。パンク/ラウドロックを好む傍ら、ヒットチャート観察も趣味。現在「音楽と人」「SPA!」などに寄稿。

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