ONE OK ROCK、2日で11万人動員ライブも通過点に 熱狂の渚園ライブをレポート

ワンオク、熱狂の渚園ライブをレポート

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(撮影=上飯坂一)

 楽器隊のインストセッションを挟んで、ライブは「Take me to the top」から後半戦に突入。「アンサイズニア」ではミュージックビデオの世界観を再現するかのように、スクリーン全体に夜の摩天楼が映し出される。さらに「ここらへんで新曲どうですか?」と、前日に情報解禁された新曲「Taking Off」をいち早く披露。今日のような大会場を意識した、壮大なビートとクールなサウンドを持つこのミディアムチューンはここ1年の海外公演経験が反映された、ワールドワイドで勝負できる1曲。初聴の人も多かったにもかかわらず、この曲は他の代表曲と同じように大歓迎で受け入れられた。

 印象的なピアノのフレーズが鳴り響くと、そこにTakaのボーカルとToruのギターが同時に入る形で「The Beginning」へ。会場内には今までよりも大きなサークルピットが発生したほか、クラウドサーファーも続出。思い思いのアクションでこの曲を楽しむ5万5000人を前に、Takaは「俺らの気持ち、届いてるか?」と問いかける。そして「次はもっともっと行こうぜ!」と叫ぶと、バンドはグルーヴィーな「Mighty Long Fall」を繰り出し、観客は激しいモッシュでこれに応えた。

 ライブ本編は残すところあと1曲。ここでTakaは「今回のこのライブに賭ける思いは伝わったでしょうか。この光景は決して当たり前ではありません。諦めずに走り続け、いろんなことを乗り越えたからこその景色だと思ってます。でも、僕らにとってまだまだ通過点にすぎません」と今の心境を口にする。さらに「ここに集まってくれた皆さんは世界一大事なファンです。僕らにできることはアルバムを作ってライブをすることだけ」と感謝の言葉を告げると、続けて「ONE OK ROCKが好きな人の中から、僕らを超えるとんでもないバンドが出てくることを願ってます。僕たちはアラサー、もう若くありません。全力で夢を叶えるには、これっぽっちしか時間がありません。残された時間を精一杯生きて、ONE OK ROCKの音楽を届け続けます」と力強く宣言した。この流れで披露された「Nobody's Home」は、あの場にいた人たちにはいつも以上に強く、エモーショナルに響いたのではないだろうか。この特別な空間を前にしたTakaの表情は、どこか感極まっているようだった。

 こうして、ライブ本編は終了。当然のように5万5000人の“仲間たち”はアンコールを求めハンドクラップとともに、「アンサイズニア」冒頭の<Wo〜♪>をシンガロングする。すでにライブ開始から2時間以上が経過し、空も薄暗くなり始めたところで、4人がステージに再登場。Takaは「今年1年のONE OK ROCKの変化は目まぐるしいものがありました。中でも、もっとも僕らを有名にしたこのCM曲を……」と、名バラード「Wherever you are」を丁寧に歌い上げた。そして「まだいけるかな? よっしゃ、もっと行こうか。暴れるも暴れないも、君次第です!」と叫ぶと、「キミシダイ列車」に突入。Takaは客席側まで降りてサブステージ側まで走り抜けると、はるか後方の観客にまで自身の歌を届けようとする。さらに「俺らはいつだって『完全感覚Dreamer』だよな?」と、正真正銘のラストナンバー「完全感覚Dreamer」を全力で熱唱。クライマックスでは無数もの花火が盛大に打ち上げられ、最後にステージに倒れこむような形で2時間半以上におよぶライブは幕を下ろした。

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(撮影=浜野カズシ)

 まさに全身全霊という言葉がぴったりのステージだった。会場の大きさや動員数の多さ、演出などすべてが破格だったし、そういう点でも記憶に残るライブになったと思うが、それ以上に楽曲の良さとアーティスト/表現者としての確固たる個性と自信が強く伝わるステージ……それが『ONE OK ROCK 2016 SPECIAL LIVE IN NAGISAEN』だったと断言したい。とはいえ、この2日間はTakaがMCでも言ったように、バンドにとっては単なる通過点にすぎない。となると、ONE OK ROCKはこの先どこへ向かっていくのか。そしてどこまで大きくなっていくのか。きっと彼らのこと、私たちの想像をはるかに超えるようなどデカイことをやらかしてくれるに違いない。

(メイン写真撮影=浜野カズシ)

■西廣智一(にしびろともかず) Twitter
音楽系ライター。2006年よりライターとしての活動を開始し、「ナタリー」の立ち上げに参加する。2014年12月からフリーランスとなり、WEBや雑誌でインタビューやコラム、ディスクレビューを執筆。乃木坂46からオジー・オズボーンまで、インタビューしたアーティストは多岐にわたる。

■放送情報
『ONE OK ROCK 2016 SPECIAL LIVE IN NAGISAEN』
WOWOWにて11月20日放送決定
特設サイト:http://www.wowow.co.jp/music/oneokrock/

■セットリスト
『ONE OK ROCK 2016 SPECIAL LIVE IN NAGISAEN』
01. Re:make
02. じぶんROCK
03. Cry out
04. Clock Strikes
05. 20 years old
06. Deeper Deeper
07. Let's take it someday
08. カゲロウ
09. Always coming back
10. the same as...
11. Be the light
12. C.h.a.o.s.m.y.t.h.
13. [INST]
14. Take me to the top
15. アンサイズニア
16. Taking Off
17. The Beginning
18. Mighty Long Fall
19. Nobody's Home
<アンコール>
20. Wherever you are
21. キミシダイ列車
22. 完全感覚Dreamer

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