HEY-SMITHが念願の47都道府県ツアーで届けたメッセージ「もっともっとハッピーに!」
HEY-SMITHが8月9日、赤坂BLITZにて『STOP THE WAR TOUR』東京公演を開催した。同公演は、YUJI(Ba/Vo)、かなす(Tb)、イイカワケン(Tp)がHEY-SMITHに正式加入して初めて制作したアルバム『STOP THE WAR』のリリースツアー。HEY-SMITHが、およそ1年間の活動休止から2015年7月に『京都大作戦2015』のステージで復活を遂げたあと、第1目標として掲げてきたのが「新しいアルバムを出して、47都道府県ツアーをする」。その夢を果たすべく、47都道府県、計62公演という大規模で開催されている。
対バンゲストとして登場したMAN WITH A MISSIONの白熱のステージから、SEに合わせた観客の手拍子で迎えられたHEY-SMITH。冒頭で演奏した「Dandadan」から新曲が続き、2管から3管という新体制になって凄みを増したホーン隊の存在感を示していた。猪狩秀平(Gt/Vo)は「ようこそ。今日の主役は他の誰でもない、自分自身やぞ。自分のために楽しんで帰ってくれよ」と叫び、「Living In My Skin」が披露された会場では、オーディエンスが踊り狂い、手を振り上げ、思いきり楽しんでいる様子が見られた。
アルバムのタイトルにもなっている表題曲「Stop The War」を歌う前に猪狩は「重いメッセージかもしれへんけど、あくまでポジティブなメッセージやから。俺たちの人生がもっともっとハッピーになるように『戦争反対』歌って行きたいと思います」と伝えた。曲に込めたメッセージを、ギターに乗せて激しく重い音で鳴り響かせると、それに賛同するようにしてオーディエンスは気持ちよい掛け声を響かせた。
MCで猪狩が対バン相手のMAN WITH A MISSIONに対し、「こういうところで対バンするの久しぶりで。マンウィズのTwitterって俺イジリ多くない? あれほんまに迷惑してるから。マジで」と冗談を交えながら、昔からの親しい仲であること伝えた。また、一方で猪狩は「人間様が狼風情に負けるわけにはいかないので、人間様暴れて帰ってくれよ!」と続く「Endless Sorrow」でジャンプやヘッドバンキングを煽り、会場を盛り上げる場面も。熱気が充満した会場には、満のサックスと、イイカワケンのトランペットが順に鳴り響き、ムードをさらに盛り立てた。
新曲の「Summer Breeze」や「The First Love Song」は、YUJIの甘いボーカルの魅力を引き立たせる楽曲だ。YUJIがラブソングである「The First Love Song」の<I really like>というフレーズを、観客に優しい表情を向けながら口ずさんでいる様子が特に印象的だった。
同公演のアンコールでは、セミファイナルの新木場Studio Coastでの対バンライブとツアーファイナルとして結成10周年の節目に初のワンマン公演を開催することを発表。猪狩は「俺らも、弱い部分とかどうしようもない部分を歌って個性にして、輝かせているから。友達とか家族とかほんと大事にしてハッピーに生きてくれや」とメッセージを残し、「Come Back My Dog」で駆け回るオーディエンスを、後ろまで熱狂の渦に巻き込んだ。
猪狩がライブ中に「人生楽しんでる? やりたいことやってる? 君たちのただでさえ最高な人生、もっともっとハッピーにしにきたからよろしく!」と発していた言葉通り、HEY-SMITHの音楽を、会場にいるすべての人に目一杯届けた同公演。47都道府県ツアーも新体制による新曲も、メンバーと同じように強く望んでいたファンの存在が彼らの支えになっていたことは明らかだった。今後もHEY-SMITHは、「人生を楽しむ」というメッセージを、たくさんのライブハウスのステージから音楽を通して伝えていくはずだ。
(文=大和田茉椰)